危機がすぐそこまで迫っているのだが
2005年 04月 06日
昨日は自宅近くの喫茶店までやってきた教え子のT君に、シナリオ作品についての個人的なアドバイスを一時間半ほどする。交通事故の加害者と被害者の、互いの屈折した関係を、コメディタッチで描こうとするものだが、人物造形の浅さを具体的に指摘した。 (隣家のまったく吠えない犬) T君は作秋の早稲田祭で自作の映画作品が入賞したとのことだが、まだまだアマチュアの考え方をでていない。プロを目指すなら、ここまでの水準に達しなければ……と話した。
「目から鱗の落ちる思いがしました」とのメールを本日受け取る。「なるほど」と思える作を見せて欲しいものである。
早くも花見の季節である。以前はあちこちから誘いがあったが、最近は少ない。目立つところでの仕事が少ないことと、やはり年齢のせいなのか。若者と思っていた人達が、みんな40、50になっている。年月の経過は早い。みんな急速に老いていく。
そんな中、三軒茶屋にある劇団レクラム舎から世田谷公園での花見の誘い。原稿の進み具合で出欠を判断する旨、答えておいた。 じっさい、原稿が予定通りなかなかすすまない。
(稽古中の神谷さん) オペラ歌手の神谷満実子さんより、手書きの封書。時候の挨拶と、以前、さしあげた拙著「今村昌平伝説」への御礼などだが、すべて手書きというのは、最近では珍しい。彼女はインターネットなどはやっていないそうだ。そういえば彼女の師匠のオペラ歌手兼演出家の飯村孝夫氏もインターネットどころか、パソコンとは無縁。 周囲はいろいろすすめていたが、彼は断固、「やらない」といっている。この時代、それも確乎とした生き方であり、いいと、ぼくは思った。
こちらは新しもの好きなので、ワープロは1983年、パソコンは1995年に買った。時代の流れに抗しつつも、それに乗ってみる……というのが、ぼく流の生き方である。
ところで、この先、日本はどこへ漂流しようというのか。政府はアメリカべったりを強めているが、いまほど近隣諸国、中国、韓国などと険悪な関係になっていることは珍しい。
ゆうべ、寝床で月刊現代の中国特集を読んでいた。2012年あたりに中国・台湾との武力衝突を予想する記事があった。説得力があり、なるほどと思った。背景にアメリカと中国の対立があることはもちろんである。
ひどく、きなくさいものが漂っている。政府がなぜ憲法改正を早め、自衛隊を「軍隊」として位置づけたいのか。中台の武力衝突があった場合、アメリカは自衛隊に一部アメリカ軍の「肩代わり」をさせようという思惑があるようだ。
このまま進と「危ないな」と思う。日本はよほど巧妙に、知恵を働かせて外交をやっていかないと、とんでもない事態にまきこまれる。危機はすぐそこまで迫っている。