コラム


by katorishu
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

届く言葉 4

 4月14日(木)
 終日家で仕事。合間に『韓国の族閥・軍閥・財閥』(中公新書・池東旭著)をむ。韓国社会の問題点を鋭くついていて実に面白い。著者は「韓国日報」のジャーナリストをへて現在、評論活動をしている。
届く言葉 4_b0028235_223444.jpg


★『日本の植民地だった三六年が韓国人に与えた後遺症は大きい。朝鮮人の心理に抜きがたい劣等感をうえつけた。日本時代に朝鮮人は葉銭身世(ヨップチョンシンセ)と自嘲した。葉銭とは昔の最低単位の銅貨のこと。日本語でいえば五厘のことだ。 
 そのような自嘲は自己卑下になる。また主体性の喪失にもつながる。みずからの行為に責任をとるのではなく、病的にまで人のせいにする憤懣だ。それが運命論になりパルチャ(宿命)だと自暴自棄し、自己憐憫の身世打鈴(シンセタリヨン)になる。
 すべてが他人のせいであり、自分のせいでないと責任転嫁になる。韓国人のメンタリティに深く根をおろしている「うまくいくのは自分の手柄、ダメなのは先祖のせい」という責任逃れである。それがさらに発展して、明日どうなるか知らない吹けばとぶような生き方はハルサリ(その日暮らし)のニヒリズム、「後は野となれ山となれ」式の無責任な生き方になっていく』


●確かにぼくの知り合いの韓国人に、この類の人がいる。日本人のなかにも、ときどき見かけることがある。
 これは、あまり「心に届く」言葉ではないかもしれない。で、もう一つ、最近読んだ本の中から、届く言葉を。
届く言葉 4_b0028235_2314255.jpg

★『本人は認めようとしないが『自分は類まれな俳優だ』といばる俳優は、自分以外の誰かになるための演技をしてしまう。はっきり言おう。これはあなたに必要ない。俳優という職業は、あなた自身でいることだ。あなた自身を演じるのだ。人間にとって、自分を愛することは簡単ではない。しかしあなたが、自分が誰であるかを見つけ、自分を信じなくてはならない。あなたと同じ人間は、この世にいないのだから』 
 『ザ・オーディション』(マイケル・ショトレフ著)より。 オーディションを受かる際の俳優の心得について。
by katorishu | 2005-04-15 02:46