内田百閒の『冥土』を改めて読み返し感嘆。活字文化は必ず復活・隆盛となる。
2015年 12月 30日
■あとわずかで2015年も終わり。やらなければいけないことが沢山あり、部屋の掃除などまったく手についていない。「持ち時間」がだんだん少なくなっているので忘年会等はなるべく控えている。
■以前、パラパラと読んではいたが、昨日から読み始めた内田百閒著の「冥土」。夏目漱石の「夢十夜」の系譜をひくものだが、僕には内田百閒の作のほうが心にしみる。ひとつひとつが凄い作だなと感嘆する。
原稿用紙5枚前後の短い作品群で、すべて夢か夢幻、妄想の世界だ。名随筆家、内田百閒ならではの文体の妙があるからこそ光る。
■未だに、僕は毎晩みる夢が生活のなかで大きな位置をしめている。夢でしか見たことのない光景、夢でしかあったことのない人もいて、なかには定期的に現れる人もいる。
冥土を読みつつ、そうか、こういう創作を試みなくては、という気分になっている。月に1,2編書き続け、力尽きたとき、作品の中に没入し、そのまま黄泉の国へ……なんて「生き方」(消え方)も悪くない。
■連載中の「昭和エロ・グロ・ナンセンス」のうちの「文学編」を中心に、某文芸系版元が出したくれることになり、正月もあらためて資料読みと加筆訂正に時間をつかう。ほかにも描きためた作品がいくつもあるので、来年は一挙放出したい気分だが。さて、どうなりますか。
歯周病も、歯医者で若い女医さんに、歯の正しい磨き方を教わってから、治ってしまったようだ。