届く言葉 9
2005年 04月 27日
★「以前は、例えば父親は父親であり、子供は子供、女性は女性、白人は白人、黒人は黒人であり、違いを前提に、みんながコミュニュケーションをはかろうとしていた。ところが、今は、みんな同じなんだということで、違いを曖昧にしてしまった。
怖いんですね、みんな。以前でしたら、茶碗というものは壊れるもので、壊れないように、精一杯注意してあつかうけど、壊れたら壊れたで、これは茶碗であるから仕方がないと、そういう考え方があった。ところが、いつの間にか、茶碗というものは壊されてはならない、だからなるべく触らないほうがいいんだという、そういう文化が日本全体を支配するようになってきてると思うんですよ」
『やっぱりヘンなニッポン』(香取俊介著・双葉社刊)より。チベットからやってきた学者、ペマ・ギャルポ氏へのインタビュー。ギャルボ氏の事務所で。