オペラ座の怪人
2005年 04月 30日
ゴールデン・ウイークの始まりだという。「毎日が日曜日」で「貧乏暇なし」のぼくには関係のないことだ。旅行や遊びなどに精を出す人達を「異邦人」のように感じてしまう。逆にぼくが「異邦人」なのかもしれない。
早朝起きて午前6時から1時間ほど読書、7時から12時まで2件の喫茶店でみっちり執筆作業。帰宅して休憩して、また仕事。夕方近く、あまりに疲れているので切り上げ、渋谷に出てシネタワーで映画『オペラ座の怪人』を見る。
客席は2割にも満たない。しかし、面白かった。「オペラ座の怪人」についてはガストン・ルルーの原作はもちろん読んでいるし、以前、映画化されたものや劇団四季で上演したミュージカルも見ている。四季の作品は確か新橋演舞場で見たものですでに20年近く前だが、歌い手と怪人の悲しみがよくでており、歌もよく楽しめた。
「オペラ座の怪人」は、 天才作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバーの名ミュージカルを映画化したもので、すでにミュージカルの「古典」というってもよい作品だ。
19世紀パリのオペラ座を舞台に、オペラ座に住む謎の男と、彼に見初められた歌姫の物語が妖しくも優美に展開される。
監督はジョエル・シュマッカー。出演は『タイムライン』のジェラルド・パトラー、『デイ・アフター・トゥモロー』のエミー・ロッサムら。
吹き替えなしで歌う彼等の歌唱力に感嘆した。エミー・ロッサムは『ミスティック・リバー』でも好演していた女優で、この役にぴったりだった。
妖しく、謎に満ち、幻想的で、心をゆさぶる音楽に充ち満ちていて、これぞエンターテインメントの極地という傑作だ。
こういう作を作らせたら、残年ながらアメリカ映画にはかなわない……。
アメリカの「文化帝国主義」という言葉があるが、こういう映画が世界を席巻するのも無理はない。少々、無力感、脱力感を覚える。日本のテレビなどますます見る気がしなくなってしまう。