読書は面白く楽しい
2005年 05月 11日
小林秀雄の長編評論「ドストエフスキーの生活」と児島襄の「開戦前夜」を仕事の合間に、読んでいるが、両方ともすこぶる面白い。
前者は小林秀雄らしい文体の中に、ドストエフスキーという天才の悲劇と栄光が、鮮やかに浮き上がってくる。
後者は日米開戦に至る寸前の日米の外交交渉を克明に描いたもので、日本が無謀な戦争に突っ込んでいく様子が真に迫ってくる。
最近、本を読まない人が増えているようだ。特に字が詰まった本を読まない若者が増えているという。愚かなことである。これだけ豊富で深い内容を知るには本でしかない。
読書の楽しみ、面白さを知らないひとは、生きる喜びのひつとを欠いたまま生きる人間である。「知的興奮」というものを、ついぞ味あわずに浪費してしまうなんて、なんと「もったいない」人生を生きているのだろう。
これを読んだ奇特な方、どうか、絵入りのお手軽本ばかりでなく、字のぎっしり詰まった本にも挑戦してみてください。
読書の興奮、面白さを一度でもつかめたら、しめたものです。新しい世界が開けることは、ぼくが保証します。ぼくが保証しても、なんにもならないかもしれませんが。