チバリヨ稽古
2005年 07月 04日
北浦和でミュージック・ドラマ「チバリヨ」の稽古。主役の青年が事情で欠席となり、困ったと思ったが、合唱団など前回と比べ大幅な進歩が認められ、やや安堵した。
本日は指揮者の高橋氏も参加した。子供たちを指導する言葉が的確で、好印象をもった。合唱団の指揮でも、「音楽はきれいなので、どうしても流れてしまう。言葉を大事に」という指摘に、ぼくなど納得である。年は聞いていないが、40前後なのだろう。若者はダメだ……との声をよく聞くが、ピアニストの室谷氏もふくめ、若い人(ぼくから見れば)の中に、可能性豊かな人が、目立たないところで確実に育っている事実は心強い。
開演まであと20日。資金不足、準備不足等々……悪条件のもと、ひとりひとりの努力で、もっているものの2倍3倍の力を発揮して、感動的な舞台に仕上げたい。
良いものに仕上がる予感はある。極めて恵まれない条件のもとでも、これだけ感動を与える舞台ができるのだということを、具体例で示したい。
ぼくも音楽家と一緒に仕事をするのは初めてなので、いろいろと学ぶべきところがある。音楽の迫力には、芝居は「負ける」と思うところもあるが、やはり「言葉」である。言葉の強さで音楽とがうまくかみあい拮抗すれば、佳品になりうる。
違う分野で、しかも若い人と、同じ空間で時間を共有できるというのが、ぼくのような年齢になると、なにより嬉しい。
考えてみればひとりの人間が一生で出会える人の数は、知れている。それだけに、ひとりひとりの出会いを大事にしたい、とこのごろ特に強く思うようになった。もしかして、ぼくが年をとったという証拠かもしれないが。