短編映画「日本の戦争」
2005年 08月 22日
蒲田の区民ホールに映画「日本の戦争」を見に行く。東映の教育映画部門が中高生など学校の副教材として作成した短編映画5本が上映された。
「日韓併合への道」「朝鮮半島 植民地支配の実態」「太平洋戦争への道 中国大陸侵略」「太平洋戦争と東南アジア」「太平洋戦争と沖縄」
一部、事実関係に疑問符もあるものの、戦前の日本、とくに軍部がやってきたことの実態がコンパクトにまとめられており、息詰まるような気分で見た。重く暗い作品だった。
東映が10年ほど前に制作し、学校の「副教材」として使われたという。
あの東映が、こういう映画を作っていたということを初めて知った。
おそらく今、この種の映画を学校で副教材として使用し生徒に見せたら「自虐史観」にもとづいた偏った映画だとして、右翼の街宣車がやってくるのではないか。
この10年で日本社会もかなり変わってしまった。そのことを実感させてくれる短編映画でもあった。
会場には100数十人ほどがきており、高校生の姿も若干あった。しかし圧倒的多くは中高年である。ウイークデイの夕方といっても、若い人に見てもらいたい映画だ。明治、大正、昭和という近代に、日本が何をやってきたのか、光の裏の影の部分を描いて、深く考えさせてくれる。
昭和のあの未曾有の戦禍に至ったプロセスと戦後の政治、経済、社会状況について、知らない人がどうも多すぎる。
昭和という時代の出来事は、一種の「人間ドラマ」「政治ドラマ」として見ても、極めて面白いのだが。
あの「昭和」を土台にして「今」があること。それを繰り返し過去を検証しながら、今日と明日を考える。一方で、とくにアジアとの関係について深く考えることが大事である。