地球の上に朝がくる
2005年 09月 04日
新宿サザンシアターで「地球の上に朝がくる」を見る。東京芸術座公演。
戦前、戦後、浅草を舞台に一世を風靡した歌手兼コメディアンの岡晴夫をモデルにした作品。
「地球の裏に朝がくる。そのまた裏かわは朝だろう」と独特の言い回しで歌う声は、子供の頃よくきいた。浪曲歌謡ともいわれたようだ。
印南氏の演出は、時空を超えた空間をうまく利用し、最後まであきさせずに見せてくれた。
ナレーションかわりに、女講釈師をうまく使っていた。
アキレタボーイズの坊屋三郎や益田キートンなど、懐かしい芸人たちの喜怒哀楽の人生をうまく切りとり、戦後60周年にふさわしい上演だった。
岡晴夫の歌と較べると、役者の歌に味がなかったが。
「ワイルドスワン」上下巻読了。心から感動した。同時に毛沢東という希有の人間の、卑小さ、臆病さも間接的に伝わってくる。作者の筆力に感嘆した。
深く悩み苦しんだ人間こそ正しい、という言葉が生きているような気がした。