脚本アーカイブ設立へ始動
2005年 09月 14日
33,4度の高温の日々が続く。暑いのはどうも苦手だ。クーラーをかけることになるが、自然の気温とちがって、あの冷たさは体になじまない。
眠りも浅くなるし、脳の働きは鈍化する一方で、執筆作業も進まない。
午後、六本木の放送作家協会で、「脚本アーカイブ委員会」の会議。放送台本や脚本などは本と違って保存されることもなく、散逸していってしまう。一部マニアか本人は捨てないで持っているものの、当人が亡くなったりすれば、家人は捨ててしまうケースも多い。
ぼくもかなりの本数の脚本を書いてきたが、今、手元にごく一部の脚本しかない。八王子の実家の倉庫のようなところに段ボールにつめたのを置いているものの、雨が吹き込んだため、傷みも激しいのではないか。もう10年以上、そのまま放置しているので、開けるのが怖い。
テレビ番組のほとんどは構成台本や脚本がもとになっている。玉石混淆にせよ、これは一種の「文化財産」であるから、これを図書のように保存し、後世の研究などに役立て、「放送文化の向上」に資する……という趣旨で、アーカイブを設立することになった。
脚本アーカイブ会館の設立なども、将来的には視野においているが、先の先のことだ。台本や脚本は膨大なもので、どうやって集めどう保存し、一般の人に読めるようにするか、委員はこの種のことに「素人」なので、試行錯誤をしながら進むことになる。
日本放送作家協会が主導することになる。ただ、この協会は会員が月に払う1000円の会費を主体に維持している貧乏団体なので、資金がほとんどない。そこで、文化庁などに働きかけ、ようやく「準備と研究」のための資金が少々おりた。
それと足立区が区の文化向上のため……ということで区の施設の一室を、「脚本アーカイブ」設立の準備室として提供してくれた。
10月からスタートする。約20人ほどの委員が、交代で準備室につめて、台本の収拾、管理などをどうしたらいいか「準備」「研究」する。
全員がボランティアで、交通費とちょっとした日当がでる程度。「文化」は金にならないので、どうしてもボランティアに頼らなければならない。本格的に始動するようになると、ボランティアでは補いきれないと思うが。