コラム


by katorishu
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雨の予報がはずれた

 10月19日(水)
 雨の予報であったが、薄曇りであったので、ほっとする。 午前11時から午後6時近くまで、文春の会議室で、間に休憩をはさみながら、ノンフィクションの取材。昼食に関係者3人で食べたインドのカレーは美味。
 一頃の、夜昼逆転の生活が「普通」にもどりつつある。やはり人は、昼間の光にあたらないといけない。
 ふと気づいたのだが、最近、ほとんどテレビを見ない。新聞もあまり読まない。ニュースなどの概略はウエブ上で読めば十分という気がする。週刊誌、月刊誌は比較的よく読んでいるが。
 新聞各紙の社説は、興味深く読んでいる。春から産経新聞の論説委員長に旧知で文学仲間であった千野女史がなったので、論調にやや変化が生じるかと思ったが、変わりませんね。産経の「個性」であるし、言論の自由が確保されている社会なので、それはそれでいいと思っているのですが。
 朝日、読売、毎日、産経……と社説を中心にウエブ上で目を通す限り、ぼくには毎日新聞が一番、自分の気持ちに近い論を展開している。朝日は記者の質が落ちたのかどうか、記事の文章の質が落ちている。天声人語など、内容の薄いことが多く、切り口が鈍っており、読む心地よさがない。
 ブロック紙では、東京新聞が健闘している。昔の「都新聞」の伝統をわずかに残しているようだ。
(ところで、ぼくの知り合いには朝日ファンと産経ファンの双方がいる。一方は護憲で一方は改憲。ハト派とタカ派といわれているのだが、そんなレッテルだけで、この人間はダメ、この人間はいい、などと単純に決めつけることはできない。ホームレスから会社の社長までが「友人」であり、そのいずれからも学ぶべき点がある。)


 そういえば、子供のころ、家でとっていたのは毎日新聞であり、新聞といえば、毎日新聞だった。祖父が天眼鏡ですみからすみまで毎日新聞を読んでいたことを思い出す。野口義造という人が何期か続けて八王子市長の職にあったが、確か毎日新聞の関係者であり、祖父は応援していた。
 そんな関係で我が家では、新聞といえば毎日新聞だった。プロ野球も「毎日オリオンズ」であり、別当薫という「日本版ジョーディマジオ」といった華麗なバッターがいた。毎日は「都市対抗野球」を主宰していた。初期のころの都市対抗は文字通り、会社別ではなく都市別のチームで面白かった。
 現在読んでいる「あへん王」の中の満州人脈のなかにオリオンズの土井垣捕手の夫人とその父親がある種のフィクサーとして出てきたのには驚いた。
 毎日も、昔と比べると部数が減って、社員の給料などもかなり低いと聞く。ここの社会部にいたN氏など、30半ばでやめてしまった。その後、小説を書くといっていたのだが、なかなか思うようにはいかないようだ。
 文筆で「食べていく」のは生易しいことではない。それでも、多くの人が「文筆業」を目指す。
 この仕事、もう少し苦労がむくわれるといいのだが、ひとにぎりの「売れっ子」をのぞいて、青息吐息というのが現状のようです。
by katorishu | 2005-10-20 00:23