コラム


by katorishu
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永井荷風の戯曲にチャレンジする女子学生

 10月24日(月)。
 秋晴れの良い天気だった。起きたり眠ったりよくわからない内に朝になった。ハンストの影響なのかどうか。世の中思うようにいかないことが多く、それも一種のストレスになっているのか。
 本を読んだり雑用をこなしているうちに午後1時近くになってしまった。1時に慶応大学の女子学生が品川シーサイドまでくることになっており、何も食べずに出かけた。
 友人の文芸評論家の末延氏が慶応で教えた学生のO嬢。永井荷風の「異郷の恋」というニューヨークを舞台にした芝居を12月に慶応の日吉校舎で上演することになっているが、戯曲は何分古く、演出もする彼女が改訂するという。脚本をはじめて書くので、プロに見て欲しいとのこと。
 費用の関係もあって「朗読劇」に近いものにし、出演者も2人に絞ったという。前半はいいとして、後半、肝心の「葛藤」の部分が弱すぎる。具体的にアドバイスしたが、さてどうなるか。
 学校側への「配慮」なども働くようで、今の若者らしく、そのことにこだわっているようであったが、「作家」を目指すなら、そんな「権威」などぶち破らなければ……とアドバイスした。
 頭の回転の良さそうな学生で、意欲も十分なので、飛躍へのワンステップにして欲しいものだ。

 そのあとイオンの地下でカミサンと一緒に食べた広島のお好み焼きは冷えていて最悪。その反動もあって、夕暮れ時、旧東海道の一角にある味のよさそうな料理店にはいってしまった。金目鯛の兜煮や芋の煮物など、まずまずの味だ。店の客は中年オジサンが圧倒的に多く、若い人は皆無。若い人は無国籍料理か居酒屋チェーン店にはいるのだろう。食文化の面でも確実にジェネレーション・ギャップはひろがっている。
 DVDをビデオレンタル店で5枚借りた。一週間借りられるが、恐らくぼくは2本ほどしか見られないだろう。世田谷にいたときは三軒茶屋シネマなどで二本立てのロードショー落ちの映画を見ることができたのだが。残念ながら、このへんには歩いていけるところにそういう所はない。考えてみれば引っ越してから映画館で見た映画は1本。芝居も見ていない。
 映画帰宅して「ドラマ」誌の原稿ほか、雑文を書くうち、一日は終わる。誰を恨むでもないが、時間の経過があまりに早すぎて、茫然とする。
by katorishu | 2005-10-25 01:09