ビジネス21の例会
2005年 11月 09日
午前中、執筆。午後3時、大森駅で鈴木正信氏にお会いし、ノンフィクション作品の打ち合わせ。関係者への取材等について話し合う。
地下鉄大門駅近くのコーヒー店で2時間ほど執筆したあと、六本木で行われた「ビジネス21」の例会に。本日は立教大学教授の福田氏の「ラチェット効果」についての講演と懇親会。参加者60人を越える盛会。
久しぶりの出席だった。以前は霞ヶ関の中華料理店でやっていたのだが、あの店はつぶれてしまったという。80歳をすぎた女主人が頑張っていたのだが。
以前の例会のとき、最後に高齢の女社長が挨拶をするのだが、盛んに経営が苦しいようなことを話していた。本日、参加者からつぶれたと聞いた。
元日経の経済記者でテレビ東京で経済解説をしていた、千葉商科大学教授の内田茂男氏とも久しぶりに顔を合わせた。氏の話では、今大学で最大の問題は生徒集めだという。早慶など東京の有名大学はともかく、多くの大学で入学定員を確保するだけで四苦八苦しているという。
いずれ大学がばたばたつぶれるのでは……と内田氏は危惧していた。
少子高齢化の悪影響の波がひたひたとやってきている感じだ。
少子高齢化は、今後、5年、10年の間に日本最大の社会問題になるに違いない。年金制度も医療制度も、破綻し年配者には過酷な状況が訪れるかもしれない。(ごく一握りの資産家は外国に投資したりしてすでに難を逃れる対策を講じているが、圧倒的多数はそんな余裕はなく、この波にのみこまれる)
長年の無策のツケがどっと押し寄せるわけで、有効な処方箋があるのか、どうもこころもとない。多くの国民がこのことに強い危機感をもっていないことが、最大の危機かもしれない。
危機管理がもてはやされること事態、危機である。福田氏はこんな理論はアメリカでは100年前から知られていたという。夕刊フジに小さく載ったラチェット効果の記事の反響は大きく、先週より毎週水曜に福田氏の連載がはじまった。
参加者の自衛隊OB氏はこう話していた。「危機管理がもてはやされることは、日本社会がおかしくなっている証拠だね」。その通りである。
以前とちがって若い人の参加も多かった。学生かと思われるようなお嬢さん風の人もいたが、名刺を見ると代表取締役社長とあった。父親から継いだ会社で、30人ほどの社員がいるとか。若い人は意欲的な人が多かった。7人ほどと名刺交換し、二次会には参加せず早々と帰る。