コラム


by katorishu
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余裕のある人こそボランティアを

 11月10日(木)
 11時から17時まで脚本アーカイブスにつめる。今日からアルバイトの人が一緒。F君で放送作家志望者だ。ドラマではなく構成のほうを志望しているという。
 彼は毎木曜にくるので、数時間一緒にいることが多くなる。作家になるための「心構え」や関心の持ち方、日頃の積み重ねなどについて、いろいろ話をした。少しは参考になったかどうか。
 彼は12時から5時間だが、ほんとに交通費だけの2000円という安すぎるギャラで、ボランティア精神できている。ぼくの関わるところはどこも資金がないので、ボランティア頼りばかりである。あるところにはうなるようにあって死蔵されているケースも多いようだが、「文化」という名のつくところには回ってこない。「文化大国・日本」にはほど遠い。

 近々、定年を迎える団塊の世代は、「うなるようにお金をもっている」のだという。四苦八苦の人も多いはずだが、何しろ数が多いので、数のうちには、たんまり資金をためている人もいるのだろう。
 そういう人こそボランティア活動をしてもらいたいのだが、遊びや自分の「快楽」を追うことに関心を向け、この面には無関心の人が多いようだ。
 逆に金や時間に余裕のない人がボランティア活動に関わっている。アメリカなどとは違うところだ。ブッシュ政権やネオコンは嫌いだが、ボランティア精神豊かなアメリカンには好感がもてる。

 帰路、秋葉原で2時間ほど創作。携帯パソコンをいつも持ち歩いているので、30分でも時間があれば開いて仕事をする。すぐその世界にのめりこんでいけるのは「特技」というか「能力」というか、時間に追われていた生活をしていたので、自然身についた生活の知恵である。こういうのを称して「時間貧乏」というのかもしれない。

 それにしても「タイタニック号」のような日本はどこへ向かおうとしているのか。ますます先が見えにくくなっている。小泉政権が「日本丸」の舵取りをしているのだが、実態は「漂流」状態にはいっているといえるのではないか。表面だけ見ていると、「景気も回復したし、いうことないではないか」ということになるのだろうが、とんでもない。

 本来ぼくはオプティミストなのだが、5年か10年以内に「大変な事態」がしゅったいすると見ている。世界の中で日本の「地盤沈下」も一層すすむに違いない。ぼくも含め、老人ばかりの世の中というのはぞっとしない。老若男女がバランスよくまじりあっている社会が良いのだろうが、ここまできてしまうと、むずかしい。

 物理的には老いても、精神の面で「若さ」や「しなやかさ」を保つ人が多くなってくれるといいのだが。40,50で、すでに精神面で老いてしまっている人が多くなっている。精神の若さ、しなやかさを保つには、本を読むことです。そして歩くこと。やや粗食。労を厭わないこと。
 簡単なことなのですが、暖衣飽食に慣れてしまっている人には、これがなかなか出来ないのですね。
by katorishu | 2005-11-11 00:18