パソコンを使える図書館
2005年 11月 16日
歩いていけるところにある品川図書館にパソコン専用席があることは知っていた。本日、初めてその席に座った。ありがたいことに、各席ごとに電源のコンセントもついている。是だとバッテリーの消費を気にすることなく、作業ができる。
ぼくのような「さすらいのライター」にとっては福音である。資料は豊富にあるし、当分、ここがぼくの重要な「仕事場」になるにちがいない。4時間半ほど作業をした。読書を含めての時間だが。
上海関連の本を拾い読みする。最近の上海のモダンさは東京の比ではない。退廃度も増しているようで、「魔都」といわれた往年のイメージを取り戻しつつあるようだ。
都会にはどこか「悪魔的要素」がないと面白くない。
10年以上前になるが、オアシスの携帯ワープロをもって近くの図書館にいき、机の端で静かに作業をしていたところ、離れたところにいた利用者が図書館の職員にいいつけたようで、職員がやってきて「ワープロは禁止されてます」といった。
ウイークデーの昼間で、その部屋には数人の利用者しかいなかったが、ダメなのだった。まだIT器機についてのアレルギーが相当程度あったのである。パソコンのウインドウズ95が出る前のことだった。
当時と比べると隔世の観がある。図書館が「書斎」に早変わりしたようなもので、明日からの執筆作業が弾む。最近では数少ない「朗報」であった。DVD1枚、本を5冊借りる。いずれも中国関係で、仕事の資料だが、とにかく「未知の世界」に歩みいるわけで読むのが楽しみだ。
読書は本当に面白い。こんな快楽を存分に味あうことなく、人生を終えてしまうなんて、文明世界に人と生まれてきた甲斐がないではないですか。
もちろん、ほかにもいろいろな快楽があるが、読書の与えてくれる快楽や豊饒さはほかの手段では味わいようがない。手軽に、どこでも誰にでも楽しめることなのに、「読書離れ」が続いているそうだ。「今月1冊も本を読んでいません」などとむしろ自慢げにいう人がいるが、ぼくにいわせれば単なるバカである。