台湾問題研究会
2005年 11月 29日
夕方、国会記者会館の中で行われた「台湾問題研究会」に出席。第7回目で、ぼくは3回目の出席。元外交官で衆議院議員をつとめた北沢氏の息子さんの「吉田書簡」に関する報告と、早稲田の大学院生でプロの通訳でもある一本由美嬢の報告。
終わって溜池の「庄屋」で飲み会。元共同通信記者で現在、龍谷大学教授をやっている人や中国の情報ビジネスを立ち上げた「元株屋」など、面白い面々で日中、台湾関係から、アメリカの世界戦略、皇室の女帝問題まで話が弾む。
現場で取材をしたり、ビジネスをしたりしている人の話には、ブッッキシュな知識で観念論を展開している人にはない面白さがある。
話の弾みから次回、1月の例会はぼくが報告することになってしまった。テーマは文革時代に北京監獄に無実の罪で5年2ヶ月幽閉された商社マンの話。すでに記したが、これは当事者の鈴木氏と共著で来春、文藝春秋から出版の予定。
今のところタイトルは『愛と憎しみの中国』と考えている。
この関連で読み始めた『ワイルドスワン』の作者による毛沢東についてのノンフィクション『マオ』がすこぶる面白い。毛沢東の人間性を、鋭くてっけつしていて、息もつかせぬ面白さといっていいかと思う。
毛沢東が権力を奪取する課程で、いかに仲間を裏切り、唯我独尊を貫くと同時にサディスティックな性格を実地の行動に移したかを、鮮やかに浮き上がらせている。まだ上巻の3分の1ほどを読んだだけだが、毛沢東は20世紀が生んだユニークな「怪物」として、極めて興味深い存在である。
上下漢で5000円近い値段ですが、一読に値する本です。ぜひ、お読みになることをおすすめします。