コラム


by katorishu
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

このままだとシルバー世代の犯罪が増える

 11月5日(月)
 子供が陰惨な被害にあう犯罪が増えている。累犯者、つまり繰り返し犯罪を犯す人は脳機能に障害のある人が多い、と脳科学者が本に書いていたが、この種の事件を起こす人間の脳も、どこか壊れているようだ。
 いわゆる「精神病」ではなく、異常と正常の境界線上にある人間なのだろう。表から見たら、「おかしい」と思えないので、周囲の人間の警戒がゆるみかえって厄介である。

 この種の偏向した人間の数は生物学的に一定数生まれてくるのかもしれないが、そんな気質をもっている人でも、その後の生育環境や社会環境が良ければ異常に走らないのではないか。社会全体が歪んできて時代閉塞がひろがる中、この種の人間はある意味で素直なので時代の「空気」にひきずられやすい。

 これはぼくの私見だが、今後、「団塊の世代」が定年をむかえ、「閑すぎるシルバー」が増えると、また新たな犯罪やアンチモラルの行動が増えてくるような気がする。
 豊富な時間をどうやって過ごしてよいかわからず、精神の平衡がくずれ、生き甲斐を失うと、刹那的になりブレーキがきかなくなる。そうして「やってはいけな」行為に走る。やがて、それが犯罪へと昇華していく気がしてならない。

 シルバー世代が今後、かかえることになる過剰に暇な時間をいかに有効にすごし、生き甲斐を感じられるようにしていくか。この面の精神的なケアが、必要なのだが、残念ながらその対策がほとんどとられていない。
 
 閑な人間は生き甲斐を実感するためにも、是非ともボランティア活動をしてもらいたいものだ。しかし、日本ではボランティア活動をやっている人はまだ少数派で、特に引退したシルバー世代の男が孤立感を深めている。
 もちろん、例外はあるが、ぼくの知る限り、シルバー世代でも「仕事の現役」はともかく、年金生活を送っている人の精神衛生はあまり良好とはいえない。
 初老期鬱病にかかっているか、一歩手前の人も多いようだ。
 
  次の世代に経験をバトンタッチするなどして、経験を有効活用してもらいたいものだ。
 その際、注意しなければいけないのは、お説教や過去の自慢話などをしてはいけないということだ。
 教えることによって、自分もまた「学ぶ」のだという謙虚な気持ちを持たないといけないのだが、過去の成功体験によりかかっている人は、なかなかそれが出来ない。
 加齢にともない意識して謙虚な姿勢を保とうとしないと、誰もついてこない。誰も心からはついてこず苛立っている「過去の成功体験者」がぼくのまわりにも少なからずいる。

 本日は自宅から半径300メートルの範囲を出なかった。午後2時ごろ起きたので、すぐ日が暮れてしまう。
 日暮れて道通し、という気分だ。執筆は外で4時間。某プロデューサーにシルバー世代の活躍するドラマ企画をメールで送信する。この企画は通って欲しい。通らなければいずれ小説に書く。その小説だが、懸案の作の執筆が遅々として進まない。ぼやっとしている間に、一日は終わる。
by katorishu | 2005-12-06 00:30