寒波到来
2005年 12月 20日
日本列島を異例の寒波が襲ったとのこと。お昼頃まで寝ているので、そんな寒さであるとは気づかなかった。
午後3時ごろ、外に出たら風が冷たかったが、日差しはやわらかで歩行も進む。20分ほど歩いて大井町駅までいく。スターバックスにはいり、5時間半、創作。コーヒーを何杯も飲んだが、ひとつの店にこれだけ長くいるのは最近では珍しい。
帰路、最近よく行く安酒場に入ってしまった。
師走なのだが、「毎日が日曜日」のぼくにはあまり関係がない。書き下ろしノンフィクションは締切があってないようなものだし、ドラマ等はまだ企画が通っていないので、書く態勢は整っているのだが、頭のなかであれこれこねまわしているだけ。小説も執筆しているが、直近に締切があるわけではなく、ゆっくり散歩をするような気分で書いている。
こういう仕事のやり方をしていると、必然的に収入が途絶えてしまう。貯えがあるわけでもないので、慌てないといけないのだが、生来、小心ながら暢気な性格なので、なんとかなるさ……と構えている。
ところで、例の耐震設計偽装問題だが、今表に出ているのは氷山の一角だという気がする。ヒューザーはじめ関連会社は小泉首相が所属する森派の政策研究会に660万円の政治献金をしているとマスコミが報じていた。
ヒューザーの社長とともに国土交通省に赴いた伊藤公介代議士は森派に属しており、元国土交通省の大臣だった。
過日の証人喚問でも、自民党議員の質問は大甘であったし、今後、政治家がらみの醜い関係が出てくる可能性が強い。
ネットには首相秘書官の飯島氏が、マスコミにこの問題をあまり追究するなと圧力をかけていたとの情報が載っていた。どれほどの信憑性があるか定かではないが、ありそうな話である。
政府は阪神淡路大震災の際「個人資産」には国が保証しないとしていたのに、今回は異例の早さで「保証」を打ち出した。
「被害者」には気の毒だが、国民の公平感にかかわることでもあり、それも問題だが、ヒューザーはじめ関連業者が「真相」を暴露することによって、困る政治家がいるのではないか、と疑ってしまう。
検察、警察は徹底的な捜査をし、「一党独裁」によって日本社会の随所に生じた「膿」を出してもらいたいものだ。
だが、恐らく、適当なところで、ホコを収めてしまうのだろう。この問題に限らず、いつぞやの自民党首脳への歯科医連盟からの1億円献金にしても、おざなりの追究で終わってしまいそうだ。
一つの党や勢力が長年にわたって権力の座に居座ることの弊害は大きい。「権力は腐敗する」は洋の東西を問わず真理である。
なのに、テレビを利用した「小泉マジック」とやらに、簡単にだまされる多くの国民。まだまだ、この国には「民主主義」は根付いていないと思う。
中国などよりはマシかもしれないが、いわゆる先進国の中では、「長いものにまかれる」人間の比率が一番高いのではないか。
封建時代に根付いた「世間」を気にする体質が、連綿と続いているのだろう。世間を気にし、世間から後ろ指をさされないような生活をするということは、悪いことではないが、過度に世間を気にするあまり、たとえ自分自身の意見、見解があっても、それを表明しない人が多い。表明をぜず、押し黙って耐えていると、そのうち意見や見解をなくしてしまう。異論、反論をもちながら、それを押し殺しているのは、精神衛生に悪いし辛いので、そういう見解を持つこと自体を放棄してしまうのである。
言論の自由がかなりの程度保証され、情報も比較的得やすい環境なのに、恐らく精神的に怠惰なのか、あるいは急がし過ぎるのか、自ら一次情報を得ようとせず、テレビなどの口当たりのいい可もなく不可もない情報で事たれりとしている。
そうして「勝ち馬」に乗ろうとする。
「勝ち馬」に乗るのもいいが、強い者になびく者が多ければ多いほど、権力者や金持ちにとっては御しやすい社会になる。「勝ち馬」に乗るというのは、強者に媚びることであるのだから。
ぼくやぼくの周りにいる人はどうも「負け馬」に乗ってしまう傾向が強いようだ。 かくて、もろもろの権力からは排除され、金に縁もない。
ただ、歴史を読むとよくわかるが、本当の意味の「改革」「変革」は、「負け馬」に乗った人たちから生まれてくる。
「負け組」「負け馬」「負け犬」の範疇に入る皆さん、めげずに頑張ってください。未来はあたなたちの手にあるのです。