ライブドアへの手入れ
2006年 01月 17日
熱が依然としてさがらない。前から約束していた取材があるので、厚着をしてタクシーに乗っていった。
最近あまりタクシーに乗ることがない。今年、初めて乗るタクシー。70代と思われる運転手で、非常に丁寧だった。高度成長期は「雲助」という言葉がぴったりの運転手がいて、淋しいところで車をとめ「色をつけてくれ」というヤカラもいた。墓の中で、「腹へったから、ここで降りてくれ」などという運転手もいた。
そんな時代が嘘のようだ。自由な競争社会の良い面なのだろう。
帰ってきて、また布団に倒れるように寝込む。体力というより気力が衰えているのかと思う。
ライブドアに検察の捜査がはいったとか。
「金があればなんでも出来る」という風潮に警鐘を鳴らす意味はあるだろう。それにしても去年の総選挙で、小泉政権はホリエモンを「刺客」の一人として最大限、選挙に利用しながら、不祥事となると掌を返したように「党公認ではなかったし、関係ない」などという。
政治家の言葉は本当に信用できない。
恐らくホリエモンが立候補したことで、彼に投票した「欲求不満」の若者は多かったに違いない。物事を深く考えず、感情に動かされて行動してしまう若者も浅はかだが、彼等を巧みに利用し、火の粉が自分のほうにかかりそうになると、関係ないとする老獪な大人。
現在の様々な問題の原点には、バブルを派生させ、それを一気に冷却した政策がある。その張本人である自民党と旧大蔵省などの政官財の癒着の構造に連なる人たちが、失政の責任をほとんどとっていない。
社会保険庁の役人のでたらめぶりも、氷山の一角である。「役人天国」日本は、アジア的停滞現象のひとつといえるだろう。
そんな政治家や官僚システムを「良し」として責任追及もしない甘い国民。
こういう国家国民はもう一度滅びたほうがいいと、かなり本気で思っている。ま、このまま愚策を続ければ、いずれ滅びるだろうが。株が少々あがったとか、さがったとか一喜一憂しているが、しょせん、タイタニック号の上でポーカーゲームをやっている状況に変わりはない。
恐らく若者たちは本能的に、そんな国の行く末を感じ取っているのだろう。同時に「甘い社会」の空気をたっぷり吸って、怠惰に楽に生きようと願っている。
自己犠牲、献身……という言葉も死語になってしまった。
中国は、恐らくあと10年で崩壊する可能性が強い。その余波が津波のように日本を襲うときが危ない。2015,6年ごろまでなんとか生きて、この国の「結末」を、この目で見てみたいものだ。