コラム


by katorishu
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ライブドア、早く成長する木は早く枯れる

 1月18日(火)
■今月はじめて品川図書館にいき、4時間ほど執筆、資料集め。パソコン使用可のテーブルには常連が何人かいた。60代半ばと思われる女性はパソコンを使用しないのだが、よくテーブルになにやら資料をもってきて、メモに書き付けている。何を書いているのかわからないが、とにかく落ち着かない。ひとつのことを20分と続けてやっていられないようだ。
 ときどき、アとかウとか声をだしてニヤッとしたり、席を立ったり座ったり。そうして最後はビデオ視聴のコーナーにいき、半分眠りながら閉館時まで見ている。
 ほかにも、「時間つぶし」でやってきている常連の老人と見受けられる人が多い。本を読んでいる格好をしているのだが、大抵居眠りしておりページはいつも同じ。
 若い人は少ない。図書館は今や「老人の遊び場」として「有効活用」されているようだ。 
 
■ライブドアが手入れを受けたのに続き、粉飾決算の疑い濃厚であり、上場廃止の可能性があるとニュースで報じていた。
 早く成長する木は早く枯れるものだが、ライブドアの急成長は異常であったし、どこかに無理があったのだろう。これで「拝金競争」にすこしでもブレーキがかかるといいのだが。
 錬金術がもてはやされるようになり、家庭の主婦なども株や不動産投機に走ったのは「バブル経済」あたりからだ。「団塊の世代」が主導したと見られるが、当時の「拝金教」の空気を青少年期、少女期に存分に吸って育ったのが「団塊ジュニア」である。無意識のうちにも、そんな価値観が血肉になってしまっている。彼等は数も多く、社会に一定の影響力をもつようになっている。
 ホリエモンはその中の典型的な人物といっていいだろう。
 とにかく、「金」と「食欲」「性欲」である。この3大欲をより多く満たした物が「成功者」で「勝ち組」というわけなのだろう。

 ぼくは株などもったことがないし、まったくの無縁の人間なので、書面上(パソコン上)の取引で、巨額の金額を手にするという行為に、どうもなじめない。
 「既得権益」にどっぷりつかっている層を、つき崩す役割をホリエモンに代表されるIT関係者に期待することもあったのだが、結局は、自らが新しい「既得権益層」になりたいだけのこと。
 中国の毛沢東が苛斂誅求の旧支配層の「特権階級」を暴力的に壊滅させ「プロレタリア独裁」を打ち立てたが、なんのことはない、自らが「特権階級」になっただけのことだ。
 清朝の官僚が共産党員にかわっただけで、これはソ連でも同じである。
 暴力的に奪われるか「合法的に」奪われるかは別にして、いつの世も、支配層、権力者は、その他大勢の庶民から「果実」をとりあげ、「生かさぬよう、殺さぬよう」、おだてたり、すかしたりしながら、自分たちの「欲望」を満たしていく。
 そのための装置として「国家」なるものを作り出した。
 とにかく膨大になってしまった人類である。国家というタガでもないと、アナーキーになってしまうので、「必要悪」ともいえるが、このことだけは銘記しておいたほうがいい。
 権力は常に腐敗する。

■最近、ブログをよく見るが、ほとんど毎回目を通すものの一つに「きっこの日記」がある。
 女性のスタイリストと称しているが、仕入れている情報からして、週刊誌に関連した人物ではないのか。ぼくは筆者を「男」と見ている。どこかに、「きっこの日記」は「週刊現代」あたりから情報を得ているのでは……という書き込みがあったが。
 なかなか面白いので、お暇な方は、以下のURLを。
  http://www3.diary.ne.jp/user/338790/

■ほかのブログで読んだのだが、ライブドアへの手入れで、喜んだのはフジ・サンケイグループだそうで、翌日の産経新聞は3面ほどを使ってこの問題を大々的にとりあげていたという。
 ブログ氏は、それを笑って、産経新聞の過去の「お家騒動」と日本放送を一種の持ち株会社にして支配した鹿内家のやり方を紹介し、さらに鹿内家にクーデターを起こして支配権を握ったフジサンケイ現経営陣のことに触れていた。
 金力、権力争いに、ついぞ無縁のぼくなどには、「ミニミニ三国志」を読むような気分で、続きを期待したいところだ。
 正直なところ、この国の未来には、あまり期待していないので、どっちへころんでもいいのだが、「言論の自由」だけは最低限守りたいものだ。
 ブログなども含めて、色々な人が色々な意見を開陳し、それで権力から抑圧を受けない限り、時間はかかるにしても、「悪」はいずれ是正される。その程度には日本人は賢いはずだし、そんな日本人を信じたい。
by katorishu | 2006-01-19 03:41