コラム


by katorishu
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ライブドアばかりなのか

1月27日(金)
 午後、六本木の放送作家協会での理事会に出席。そのあと、同じ場所でビールや日本酒を飲みながら「新年会」。
 その席でライブドア事件に関して興味深い話をきいた。協会員のひとりで、元パソコン雑誌の編集長をつとめたこともあるAさんから聞いたのだが、IT関係者の間ではホリエモンのような「不正」は決して珍しいことではないという。
「ホリエモンは極端にやりすぎたということはありますが、あそこもここも、似たような処理をしています」
 
 IT業界に通じたAさんの話だけに真実味をもつ。ここには記せないが、Aさん自身が目撃したいくつかのケースについて具体的にきいた。
 ホリエモンが検察のターゲットになったのは、「一罰百戒」の意味がある、とはよくいわれることだ。恐らくホリエモンは小菅の拘置所で「みんなやっているのに、なんで俺だけが」という思いでいるのではないかとのことだ。
 とにかく、急成長するIT業界には、いかがわしい組織が相当数あり、そういうところは企業として何の価値もないところにM&Aをしかけ、誇張した「業績」をPRして株価を高め、「一般投資家」に売って大儲けをするのだという。

 なんの価値もない企業に10億20億の桁違いの金額を投じて、なお巨額の利得を売る。ギャンブルと同じであるが、仕掛けるほうは成功の確率が多い。成功の確率があるから非合法すれすれのところで、仕掛けるのである。
 ライブドアの創業者が外国人(アメリカ人)であることも初めて知った。ホリエモンに売ったときの社長は日本人であったが。

 小泉改革によって、パソコン上での「デイトレード」が比較的容易に出来るようになり。それまで株のことなど知らなかった「素人」が株取引を気軽にするようになった。株が分割化され、「安価」になったうえ、取り引きの手数料が以前とは比較にならないくらい安くなったので、「引きこもりの若者」や大学生などが気軽に株の売買をするようになった。

 しかし、多くの「一般投資家」は結局は「ババ」をつかまされることになる。ごく少数の人間が大もうけする裏で、多くの「素人投資家」が食い物にされているのである。
 もちろん、適法な商行為をやっているIT企業もあるが、ホリエモンだけが例外的存在ではないことは、IT関係者には「常識」であるようだ。

 新年会に出ていた放送作家のBさんは、例の六本木ヒルズに住んでいる。といって、大金持ちではなく、あのビルを建設する際、あの地に住んでいた人である。立ち退くかわりに「等価交換」でヒルズの部屋を得たのである。
 約400世帯が住むなか「等価交換」組は半分ほどいるという。従って六本木ヒルズに住む人間が必ずしも「超リッチ」でないことも知っておいたほうがいいだろう。悩みは管理費が高いことだという。開発者で所有者でもある森ビルは、そんな「普通の」「等価交換組」を追い出したいのだという人もいる。
 残り半分の「賃貸組」の中に「超リッチ」なIT長者がいるのである。分譲の持ち主ではなく、賃貸のほうが遙かに金持ちというのも、面白い現象だ。

 ところで、ライブドアが摘発されるだいぶ前から、ヒルズの住宅棟の賃貸の部屋に、検察関係者と思われる人がいかにも「住人」を装って「住んで」いたこともあるようだ。確証はないが、いかにもそういう類の人らしい雰囲気で、他の「長者」連中とは違っていたという。

 なるほど。マスコミ報道ではわからないことがいろいろある。今、マスコミに流れている情報のほとんどは検察のリーク情報であるし、真相はどうなっているのかわからない。
 広域暴力団の介在も噂されているし、政治家がからんでいるという噂も絶えない。
 検察が「事実」をつきとめたとして、「国策捜査」の意味合いが強いので、どこまで捜査の手をのばすか。
 政権や財界にとって危機的状況になれば、ある程度の「成果」を得たところで、幕引きということも考えられる。どこの国にも「闇」の部分があるものだが、この国の「闇」もかなり深いようだ。
by katorishu | 2006-01-27 23:24