コラム


by katorishu
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先行き不安が続く

 2月18日(土)
 図書館で4時間、喫茶店で3時間半、執筆作業に没頭。脳は体以上にエネルギーを使うそうだ。心身共につかれた。アップルパイを食べると、脳がすっきりした。
 あることをやったという充実感はある。脳に休息をさせるため東海道の旧道ぞいの飲み屋にはいった。焼酎と軽い食事。年末、焼酎のボトルをいれて、そのままになっていた。
 一割ぐらいしか飲んでいないので、そのまま期限切れにしてしまうのはもったいない。
 で、はいったのだが、いやはやという食べ物……。

 寝床のなかで数時間、本と資料読み、あとレイモンド・チャンドラー原作の「ロングバケーション」を見ると、15時間がすぎる。簡単な食事をし、風呂にはいったりすると、数時間の睡眠時間しか残されていない。

 書いている世界に入り込んでいると、世の中、なにが起こっているのか、わからなくなり、どうなってもいいという気分になる。どうせ人類は滅びるのである。早いか遅いかの違いでしかない。そういっては身も蓋もないので、殺虫剤に適応して生き延びるゴキブリやガン細胞のように、したたかに生き延びる種族がいるかもしれないという希望を残しておこう。
 しかし、その類の人は、すでに「人」ではなく、「怪物」である。

 不安な時代の現れなのか、世の中、霊とか超能力とかを信じている人が案外多い。 過日、飲み会で、隣に座った年配の某女優に、脳のことでたてつづけに本を出している養老孟氏の話をしたら、「私、嫌い、養老孟って」「どうして」「だって、あの人、霊を信じていないから」
 ぼくはつくづくその人の顔を見てしまった。
 時代閉塞が漂っているためか、ここではないどこかに、確かな存在の手がかりを得たい人が増えているのだろう。

 テレビで某占い師がずばり、直言、断定し、それが人気を得ているそうだ。
 過日、一度番組を見たが、ずいぶん断定的に自信たっぷりにいう人だなと思った。
 若い人などは、ズバリ野太い声で断定的にいわれると、思わずうなずき相手の空気にとりこまれてしまう。
 占いだから、当たるも八卦、あたらぬも八卦といって逃げる手もあるので、ますます自信たっぷりにいう。それが人気を得るとは、マゾがいかに多くなっているかの証拠だ。

 みんな不安なのだろう。
 これも、以前、ある飲み会の席で、某中堅女優が、最近女優が8人集まれば、4人は某宗教系だといっていた。(8人というのは意味があるのかどうか)
 人気商売は、不安だから、なにかにすがりたいのだろう。現実に某教団にはいると、コンサートの上演などの際、切符は売れるし熱烈なファンがつくし、何かと得なことが多い。で、こんなに増えてきているのだという。
 ホントカイナと疑ったが、「ほんとですよ」と彼女はたちどころに優の名前を何名かあげた。みんな先行き不安なのである。この先、さらにカルト的な宗教なども出てくるにちがいない。
 本当は、旧仏教がもっと精神的リーダーとして影響力を行使を発揮しなければいけないのだが、ごく少数の僧侶をのぞいて、葬式仏教の「執り行い業者」になりさがっている。
by katorishu | 2006-02-19 05:30