コラム


by katorishu
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自殺と人間

 3月28日(火)
■ろくに桜を見ないうちに散ってしまいそうだ。
 大森で、日中のはざで有為転変の人生を送った鈴木さんとお会いし、ノンフィクションの打ち合わせ。中国の現状と今後について意見を交換する。中国も極めて危ない時期にきているという点で意見は一致。13億の人口をかかえる大国の動きから目を離せない。

■例の偽設計図問題の姉歯設計士の夫人が自殺したとトップニュースで報じていた。殺人も、おぞましいが、自殺という「殺人」も、とくに本人の心境を思うと、なにやら暗い気分になってしまう。子供がいるそうだが、これからの先の人生、どうなってしまうのか。想像するだけで胸が痛む。

■これまで何度か、見知った人の自殺の報を聞いたが、その度に「万物の霊長」である人間の作り出す社会って、なんなのだろう、と思った。
 動物は自殺はしません。最近、ときどき深夜のケーブルテレビで「アニマルプラネット」という動物番組を見る。BBC制作の動物番組が多いが、見ていると、いろいろ考えさせられることが多い。命とは何かからはじまり、人間とはなんなのか……にいきつくのだが、結論は「よくわからない」である。
 他の多数の動物にとって、人間は悪魔、怪物そのものです。幸か不幸か、自分もその中の一匹に生まれついてしまったわけだが。
 いがみあい、傷つけあうことが、あまりにも多すぎる。人口が適正規模を越えたことも、理由のひとつかもしれない。

■作家村上龍氏のメルマガで、エコノミストの何人かが、団塊の世代の退職問題で、かなり甘い見通しを記していた。エコノミストというのは、どうも、あり得るケースの中で都合の良い部分をとりだし、こうなりますよ……と語り勝ちだ。悪い見通しを出すと、株価等に悪影響がでる、と思いこんでいるかのようだ。一方、宗教者は例外なく、起こりうるケースのうち「もっとも暗い未来」を指摘する。
by katorishu | 2006-03-29 00:52