コラム


by katorishu
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ワンセグ、開始で、便利になっても

 3月29日(水)
■世の中、「便利に便利に」という方向に流れていっているが、果たしてそういう方向に何もかもが怒濤のように流れていっていいのだろうか、と最近感じている。便利ということは「お手軽」の意味もある。情報はインターネットで、移動は車で、考え方、生き方はマニュアル本で……生きてから死ぬまで、「便利」なものの氾濫の中で暮らしているのだが、どうも便利さは、「生き甲斐」や「感動」につながっていかないようだ。

■むしろ「便利」さを排したところに感動や生き甲斐があるといってもよいくらいである。山に登るのに、便利なケーブルカーや車で登るのと、麓から歩いて登るのとでは、頂上に着いたときの感動は格段に違う。
 便利さのお陰で、われわれの周りには物があふれかえっており、物を手にしたときの感動が低下している。これは、もしかして加齢が原因かもしれないが、感動が本当に少ない。他人を見ても素直に感動している人を見ることも、少なくなっている。
 自然からあまりに離れすぎた生活をしているせいなのか。他人様は、日々どんな思いですごしているのか、一度本音の本音を聞いてみたいものである。

■携帯端末向けの地上デジタル放送「ワンセグ」が4月1日から始まる。これも「便利」さの最たるもののようで、移動中でも鮮明なテレビ映像が楽しめるのだという。さらにデータ放送からインターネット経由で番組の関連サイトなどにアクセスできる。
 つまり、「放送と通信の融合」というのだが、果たして「見るに値する」内容があるのかどうか。
 電気メーカー等は、熱い期待を抱いているようだが、移動しながらテレビ等を見なくてもいいと思うのだが。
 何か大事なことを忘れたまま、人間社会の歯車はどこか妙な方向に回転していっている、という気がして仕方がない。

■本日、脚本アーカイブズの委員諸氏と文部科学省にいき、小坂大臣に面会。脚本アーカイブズの趣旨には大賛成とのことであったが、お金の問題となると、そう簡単ではない。旧文部省は虎ノ門にあったのだが、東京駅の近くに移っていたのですね。
 世の中、悲しくも辛く淋しいことに、ゼニがなければ人も物も動かない。
by katorishu | 2006-03-30 02:22