コラム


by katorishu
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小沢一郎・菅直人なら復活の可能性あり

 4月2日(日)
■役者と脚本家志望者の「ジョイントゼミ」最終日。短編戯曲として、一応の水準に達したのは1編だった。とにかく、皆さん、良い体験にはなったようだ。

■民主党の党首に小沢一郎氏が意欲を見せているという。
 永田チョンボ議員のことに触れたとき、小沢一郎・菅直人に枝野のトリオで立て直しをはからないと民主は沈没する……云々と記した記憶がある。
 結局、そのようになりつつありますね。前原体制の「若さ」は「未熟」に通じ、裏目に出たようです。テレビの番組で小沢氏は「民主党で何としても政権交代する意味があることを国民に理解してもらいたい」と語り、小泉政権に対抗するキーワードとして「共生」をあげたという。小沢・菅・枝野なら、民主は支持率を回復する。そろそろ国民の多くは「小泉的なるもの」の空虚さを見抜いているはず。とにかく野党がなんとか持ち直して「翼賛体制」に傾斜する政治にブレーキをかけてもらいたいものだ。

■日本をアメリカ型の「市場原理社会」にしてはいけないのだと思う。藤原正彦氏の「国家の品格」を電車の中で引き続きよんだ。(電車の中で読む本と、床の中で読む本と喫茶店などで読む本とわけている)。氏は「武士道精神」の復活をと説いている。いわゆる腹切りなどに象徴される「武士道」ではなく、あくまで「精神」であり、コマーシャリズムの精神と対極にあるものとして「武士道精神」を持ち出している。
 世界的ベストセラーとなった新渡戸稲造の「武士道」を過日、たまたま本棚で手にして数ページ読み始めたところだった。藤原氏は新渡戸稲造の言葉として、武士道の最高の美徳は「敗者への共感」「劣者への同情」「弱者への愛情」であるとしている。いってみれば「惻隠」の情である。惻隠の情など、すでに死語になりつつあるが、懐かしい言葉でもある。
 アメリカのグローバリゼーションには「惻隠の情」のかけらもない。「武」を強調する方向は嫌いだが、現代社会に欠けているものを一言でいえば「惻隠の情」であるかもしれない。

■幕末から明治初期に日本を訪れた外国人の日記や体験記などを、過去何冊も読んできたが、ことごとく「日本礼賛」である。指導クラスではなく、一般庶民の立ち居振る舞いが見事で、礼儀正しく、節度をわきまえ、感嘆に値すると書いている。
 最近の日本とはまったく対極の日本。戦後、「物的繁栄」とひきかえに日本人が失ってしまったものは、もう取り返しがつかないのかもしれない。

■ところで、本日ジョイントゼミのあとの「打ち上げ」で出た雑談で、ひところ大学生がよく読み議論の材料になっていた人物として、吉本隆明をあげる人がいたが、現在、27歳の青年によると「われわれの時代は、吉本隆明に相当する人は、小林よしのりですね」と話していた。あの漫画家の小林よしのり氏である。時代はそこまで動いたのか……と50過ぎの俳優兼演出家の一功さんと顔を見合わせたことだった。
 
by katorishu | 2006-04-03 03:17