コラム


by katorishu
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政界の闇は深い

 4月3日(月)
■民主党は小沢・菅の2枚看板でないと、再生はむずかしいのでは……と思っていたところ、若手議員の中に「反小沢」の人が多く、前党首の岡田克也氏が出てくる可能性もあるという。
 よくわからなくなってきたが、党首選びを通じて、マスコミの焦点があたれば、少しは民主党の存在感も増すという効果があるかもしれない。
 一方、窮地を救われた小泉首相はオペラ「ツゥーランドット」をフィギュアの荒川選手と一緒に鑑賞し、武部幹事長はお菓子作り……と一見、余裕綽々の姿をマスコミにさらしていた。
 ライブドア問題をふくめて耐震設計偽造問題等々、闇の部分がなにも解明されていないのに、与野党とも「人の噂も75日」に期待しているというのか。

■過日の、日歯連からの「1億円献金」問題も妙な判決がでて、政界の闇は一層深くなった。ライブドア問題も含め、検察の「国策捜査」の疑いも濃い。一方で、大企業は史上空前の高利益をあげているという。その一方で、貧乏人が大量生産されている。
 アメリカは沖縄からグアムへの海兵隊を移転させる費用、9000億円を日本に出させようとしている。まさかこんな要求を政府はのまないだろうが、5、6000億で決着をつけるのではないか。これだって、巨額なカネである。
 グアム島への移転に伴う建設事業に、アメリカの土木建設企業がすでに目をつけ利権を狙っているという。チェイーニー副大統領と縁の深いハリバートン社は、かつてグアムに支社を置いており、退去していたのだが、移転利権が生じそうなので、また島に戻ってくるという。
 こんな銀蠅のような企業を儲けさせるために、日本人の税金が使われては、たまらない。少額納税者のぼくでも怒る。

■渋谷で「論座」の編集者のT氏と打ち合わせ。本日刷り上がった「論座」を頂戴した。「右派」といわれる「諸君」と「正論」に対する検証を載せているほか、面白そうな論文にあふれている。
『国家の品格』を書いた藤原正彦氏に編集長がインタビューしているが、かなり挑発的な質問をしている。藤原氏は、著書の論点の柱は「平等」であり、7割は共産党のいっていることと同じだと語っている。ところが、「武士道精神」をもちだし「伝統」の大切さを説いているので、「右派」の人たちに、「うまく利用されている」のでは……といった見方もある。分かり易く書いているのでベストセラーになったのだろうが、愛国心を称揚する勢力に利用され易い。
 藤原氏は「愛国心」は狭量なナショナリズムにつながるので嫌いであり、本の中でも使用していない、使っているのは「祖国愛(パトリオティズム)」であると強調している。祖国愛の底には郷土愛があり、さらに家族愛があるという。弱者への愛、惻隠の情けが欠けているのが、今の社会だという。その通りであると思う。
 
■いずれにしても、総合雑誌を読む若者は極めて少ないらしい。テレビと新聞だけではわからない「情報」や「見方」があるのだが、総合雑誌も読まなければ、そういう情報や観点、論点、考え方も頭に入らない。(もっとも、まっとうに汗をかく生き方をしている、例えば職人などは皮膚感覚で「わかる」。一方、いくら雑多な知識をつめこんでも、コモンセンスのない人や「情けのない人」には、あまり益がないかもしれない)

■ぼくは「論座」をはじめ「諸君」「現代」「正論」「世界」……などになるべく目を通すようにしている。各雑誌に読むに値する記事があるし、面白い。以前は「文学界」や「群像」などに目を通していたのだが。現実の世界の動きが「面白すぎて」なかなかフィクションにまで目をやる余裕がない。
 「論座」の2月号に朝日新聞の論説主幹と読売新聞会長のナベツネこと渡辺恒雄氏の対談が載り、両者の意見が一致する部分が多かったことで話題になった。この号は完売したということだ。
 T氏によれば「その後、売れ行きはやや増えた」といったところであるという。表紙も変えて、すこし攻撃的になったとのこと。
 総合雑誌は面白いですよ。いずれぼくの連載が始まる可能性が強いかと思います。硬派ではなく、「軟派系」ですが。
by katorishu | 2006-04-04 02:10