コラム


by katorishu
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なにより必要な政権交代

 4月6日(木)
■日頃、政治に関心がないとはいわないものの、それほど強い関心はない。しかし「選挙」となると別で、興味深い。「民意」がどう反映され、多くの日本人が何を考えているかがよくわかるし、人の生き方を左右する「権力」に結びつくからなのか、選挙というと不思議と血が騒ぐ。昔、勤めていたとき、「総選挙報道」にかりだされたことがあるが、そのとき以来か。確かコンピューターを初めて使った選挙報道だった。70年代だが、すでに某放送局にはIBMの巨大なコンピューターが入っていたのですね。今から思うと「子供だまし」のようなコンピューターでしたが。そのとき、初めてキーボードなるものに触れたのです。
 党首選となると、一般国民が投票できるわけではないので、関心が薄くなるが、今回の民主党の党首選は大いに関心がある。

■小沢一郎・菅直人の一騎打ちとなるようだが、投票日を明日にひかえた6日、二人が会談をするという異例の展開となった。
『選挙情勢有利とみて候補一本化の最後の機会を探る小沢氏側と、「さわやかな代表選」を演出したい菅氏の双方の思惑が交錯して実現した会談だったが、すれ違いに終わった格好。選挙後の党運営への不安はぬぐえぬ薄氷の「挙党態勢」確認となった』(ウエブ毎日新聞)とのことだが、どちらが選ばれても落ちたほうが手を引くようなことはして欲しくない。

■ぼくは一貫して「支持政党なし」だが、今の日本に必要なのは政権交代であると思っている。政治は社会の土台を決めるものなので、政権交代によって「浄化作用」をおよぼさなくては、どうしようもないところまできている。
 民主など「第二自民党だ」という人がいるが、いくら似たり寄ったりの政策であったとしても、「政権が交代」することの意味は大きい。政官財の癒着の一角は必ず壊れる。「既得権益」と「癒着の構造」を崩すには政権交代が一番である。
 世界の先進国のなかで、政権交代がほとんどない国は日本ぐらいである。一時期、自民党が政権の座をおりたが、基盤が崩れる前にオソマツ社会党の協力で政権に復帰してしまった。あと1年、非自民政権が続いたら、今の日本はよほど違った社会になっていたに違いない。それが良かったことなのかどうかは別にして。

■本日、株価は上昇し、年初来の高値だという。しかし「景気の上昇」の恩恵にあずかっているのは少数派ではないのか。
 本日、60過ぎた知り合いから電話があり、この世におさらばしたい……とのこと。事業がうまくいかず、お先真っ暗で、誰とも会う気がしない。このところ毎日、死ぬことばかり考えているという。体調も悪いし、金銭的にも非常に厳しいとのこと。
 こちらに余裕があれば、援助もしてやりたいのだが、かつかつに生きているので、むずかしい。とにかく家にこもらずに、外に出て自然に接したり……とありきたりなことしかいえなかった。高齢になって事業に失敗したり、病気になったりすると、かなり辛く厳しい社会である。
「自己責任」などという言葉がひところいわれたが、どんなに懸命に頑張っても「斜陽」になった職業では、努力も能力もなかなかむくわれない。実家が「斜陽の織物関係」であったので、よくわかる。
 大企業で定年まで勤められた人や、結構な退職金や年金のある公務員、およびこれに準ずる人にはわからないかもしれない。

■弱者へのいたわりや、敗者への同情……などなど藤原正彦氏のいう「惻隠の情」が、かつての日本にはあった。さらに「村落共同体」や「大家族」が「受け皿」となって競争等に敗れたり、会社が倒産してクビになった人も、「生きる余地」があった。ところが、今はそれが消えてしまった。
 どんな理屈や言い訳をしても、市場原理主義は要するに「弱肉強食」の「けもの」の世界である。それによって、多くの人間が傷つき倒れてきたので、知恵を絞って、「惻隠の情」がゆきわたる社会をつくってきたのに。また織田信長の時代にまで戻したい人間がいるようだ。
 人を追いつめ死においやるのは、なにも「武力」だけではない。経済力でせめ、いびり、生きる基盤を奪うことで、多くの人は死んでいくか、死の一歩直前までいく。
 ぼくとしては菅直人氏が党首で、小沢一郎氏が幹事長……さらに枝野氏が国体委員長で、バランスをとり、来年の参議院選さらに次の衆議院選挙で、政権交代をしてもらい、グローバリゼーションにブレーキをかけてもらいたいのだが。
 皆さん、そんなに「アメリカになりたい」のですかね。日本の伝統や文化と対極にあるグローバリゼーションに両手をあげて賛成している小泉政権。これに対する支持率の高さが、ぼくにはわかりません。
by katorishu | 2006-04-07 01:09