民主党主に小沢一郎
2006年 04月 08日
■民主党の代表選挙で、小沢一郎氏が党主に選ばれた。「予想通り」のようだが、これでなんとか小泉政権との対立軸が出来たという気がする。
いくら理想論をいっても、現実に政権交代ができなければ、日本は変わらない。本日のテレビ朝日の報道ステーションに小沢氏が出演し、「小沢さんの改革は小泉さんの改革とあまり変わらないように見えるという人もいるが」というキャスターの質問に、「言葉は同じでも本質的に違う」と答えていた。
既得権益の基盤にのった自民党にいて、本当の意味の「改革」などありえない。少しずつ変えていく、というのならわかるけど、と小沢氏。
菅直人氏も当然、指導部に入るのだろう。ここはとにかく、政権交代である。
■明治以来、日本の政治は典型的な「官僚主導の政治」であった。戦後「民主主義」になったというが、本質はかわらない。 戦後のGHQの改革でも、官僚制と大学だけは温存された。
戦後の日本政治について、現在、外国特派員協会会長のウオルフレン氏の書いた『日本/権力構造の謎』(早川書房)が極めて明快に解説してくれている。
すでに20年近く前に出た本で、ベストセラーにもなった。今も鮮度を失っていない。自民党を牛耳ってきた小沢氏が、自民党を割って出たとき、恐らくこの本を読んでいたに違いない。当時、日本の政治を変えなければと改革の意欲をもっていた人たちの多くが、この本を下敷きにしているはずだ。ウオルフレン氏を「リビジョニスト」として批判した人もいるが、「外からの目」で見たからこそ、日本の構造的な問題点が見えたのだろう。人は自分の背中はなかなか見えないものである。
■いずれにしても、自民党にとっても、もっとも「手強い相手」の真打ち登場である。
小泉政権からエールを送られるような前原氏では、どうしようもない。「翼賛体制」を打破して、崩壊への坂を転げ落ちる日本を、本気で立て直してもらいたいものだ。
そのためにも、一度、民主に政権をとらせてみたい。過度の期待は禁物だが、現状維持が良いと思っている日本人は、3割程度しかいないのではないか。かといって、社民や共産では、多数派になれるわけもない。
■もちろん、変えなければ、といって、「アメリカの属国」になっては、どうしようもない。節度と抑制、そして文化程度の高い国。経済的にはもっと貧しくてもいいから、「経済」や「援助」ではなく、「文化」「国民のモラルの高さ」などで一目置かれる国になってほしい。
経済的にはせいぜいスペイン、ポルトガル程度でいいのではないか。一家に一台車などいらないし、海外旅行などに毎年いけなくともよい。ブランドものなど身につけなくともよい。ほどほどの暮らしで、「達成感」「幸福感」を、一握りの人ではなく、多くの人が味わえる社会。そんな日本になることを期待したいのだが……。
■現実は、カネ、カネ、カネ、物、物、物……というのが多数派なんでしょうね。かくて、そういうマスに支持されたテレビが繁栄し、多くの日本人から品が失われていく。
『人は見た目がすべて』とかいうタイトルの本が売れているようですが、うまいところをついた本だと思います。ぼくなど、初対面の人と会って、1分で「この人はこんな人」とある程度評価を下すが、その初印象の評価が裏切られたことは極めて少ない。
それと、人は「声」にその人の本質がでますね。電話で数分しゃべれば、その人が何者であるか、かなりの程度わかります。見知った人でも、当人の健康状態、気分、本当のことをいっているか、嘘をいっているか……などもよくわかります。
音感はゼロですが、耳の感度はかなり良いと自負しています。