コラム


by katorishu
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日歯連事件と国策捜査

 4月14日(金)
■大門の中華料理店で、文春の編集担当者の「引き継ぎ式」。鈴木さんが定年退職したので、「編集委員室長」の浅見さんに。鈴木正信さんともどもお会いした。会って数分話しただけで、だいたいその人がどういう人物であるか、かなりの程度わかるものである。「風貌」といったものに、内面が色濃く反映する。
 浅見さんは昭和史への造詣が深く、昭和史の専門家といってもよい人で、撃てば響くような答えが返ってくる。心地よい会話ができ、2時間近くがまたたく間に過ぎた。
 昭和史、日中関係史には、まだまだ闇の部分が多い。闇であることをいいことに、例えば2・26事件をコミンテルンの仕業であるという説を提唱する人もいるそうだ。

■深夜、朝日ニュースターの「ニュースの深層」を見た。日歯連への1億円献金事件で、過日、無罪の判決が出た村岡兼造元自民党幹事長に、「週刊ダイヤモンド」の前の編集長氏がじっくり聞いていた。たっぷり時間をとって聞かせるので、わかりやすく、村岡氏が橋本元首相や野中元幹事長等に「はめられて」いくプロセスが、よくわかった。典型的な「国策捜査」である。
 地上波のテレビで、5分や10分の時間で紹介するのでは、とても微妙な話は披露できない。本日見た番組で、検察が選挙に落選した村岡氏一人に罪をなすりつけ、元首相経験者を救おうとした……という構図をうまくあぶり出していた。それにしても、特捜もふくめ権力というのは怖いものである。

■朝日ニュースターには、当事者をまねきじっくり見せる番組があるので、比較的よく見ている。霞ヶ関の官僚たちもよく見ているという。
 厚生族の典型であった橋本元首相。首相時代、中国の公安とつながりのある女性と深い関係になり、ホテルで密会を重ねていたが、日本の公安当局にも把握されていた。最近、橋本氏は中国にいき、中国の政府高官と話し合ったようだが、こういう人が日本国の舵取りをしていたと思うと、ぞっとする。橋本氏と中国の公安の女性との密会は、確か文春のスクープだった。
 1億円献金事件で橋本氏は本来なら逮捕されてもいいケースであったが、選挙に立候補しないことを条件に、司法取引した可能性が強い。それでいて、自分の地盤、看板を息子にゆずり、息子は去年秋の選挙で当選した。こういう人を選ぶ選挙民も選挙民である。

■ライブドア事件で検察はホリエモンを逮捕したが、彼と政治家との関係にまで踏み込む気構えはないようだ。すでに証拠類は握っているのだろうが、握りつぶすつもりなのか。権力の闇をえぐるのがマスコミの大きな役割だが、防御もまた堅いので、生半可なことでは「真相」は表に出てこないだろう。週刊誌に期待したいところだが。さて、どうなるか。

■一昨日、途中からBSテレビで見た渥美清の「寅さん映画」は面白かった。浅丘ルリ子がゲスト主演。典型的な大衆演劇のパターンにのっとっているが、見せてしまう。渥美清という独特の個性をもった役者と、脚本、監督がひとつにまとまった瞬間の鮮やかさが、随所に見られた。
 以前、山田洋次監督の寅さんの第一回の脚本を読んだことがあるが、読み物としても大変面白かった。
by katorishu | 2006-04-15 01:54