コラム


by katorishu
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移転費等に3兆円出せという米軍

4月26日(水)
■耐震設計偽装事件で8人が逮捕された。「別件逮捕」の声があるが、与党議員の関与などに迫れるかどうか。
 それより、今日のニュースで驚いたのはアメリカ軍の高官がアジアでの再編費用として日本に3兆円を払うよういったということだ。発言の主はアメリカ国防総省のローレス副次官で「報道ステーション」の映像にでていたので、公的な発言なのだろう。

■すでに日本政府は米軍のグアム移転に関して7500億円を払う約束をした。これだって大変な額だが、3兆円払えとは。アメリカは、はやりおかしくなっている。
 アメリカ軍基地をおいて日本を守ってやっているのだから、これでも安いくらいだと思っているのだろう。「これは控えめな数字だ」と副次官はいったそうだ。
 3兆円は多くの国民が額に汗して働いた中から払った税金である。(中には額に汗せず、濡れ手に粟の人もいるようだが)

■「報道ステーション」では触れなかったが、イラク戦争でアメリカは膨大な赤字をかかえており、その穴埋めを日本にもとめようとしていることは容易に推定できる。アメリカの国民向けのアピールの意味もあるようだが、「血を流さない日本よ、アメリカ人が血を流しているのだから、せめてカネをだせ」といいたいのだろう。

■アメリカ人というのは、「自国中心主義」であり、パスポートなども持っていない国民が多いそうだ。貧乏国の者ども、アメリカはこい、といった「ジコチュウ」の人は案外多い。悪い意味の「田舎者」なのである。
 多民族、多文化の社会なのに、他のいろいろな価値観を認めない人が多いようだ。もちろん、コスモポリタンもいるが、ブッシュ政権を支持する南部の農村部あたりは、排他的な田舎者が多い。日本は3兆円を負担せよと主張する背景には、牛肉の輸入をなかなか再開しない日本人への苛立ちもあるのだろう。南部の農園経営者の中には単純なカウボーイの伝統を受け継いだ者も多く、イラク国民など、さしずめ「インディアン」に近い存在なのかもしれない。
 太平洋戦争の日本人も、彼等から見たら「イエロー・モンキー」だった。関係者には周知のことだが、アメリカのヒット映画『猿の惑星』は、じつは日本人がモデルであった。

■アメリカは世界世論に反してイラク攻撃に踏み切ったのである。そのツケをもってこられてはたまらない。少額納税者のぼくでも、怒る。イラク攻撃後、いち早く賛成を表明したのは小泉首相だが、「ヤクザのみかじめ料」に似たようなものではないか
 ぼくには、そんな小泉首相への支持率が5割近いというのが、不思議でならない。女性と若者の支持が依然として高いそうだが、彼等はちゃんとした情報を得たうえで、支持を表明しているのだろうか。どう見ても、最近の日本は「アメリカに隷属」している。ひょっとして強い者に進んで隷属するほうが好きだというのだろうか。そうであるとしたら、なにをかいわんやである。

■ついでながら、現在、ケーブルテレビ等で放送されている「ファミリー劇場」のチャンネルで24年前のNHK大河ドラマ『山河燃ゆ』が放送されている。日米戦争と極東裁判を真っ正面からあつかった「異色」の作品で、ぼくも脚本を書いている。本日、日米戦開戦前夜の15回を見たが、なかなか面白く、「今日性」もあるドラマだと思った。
 島田陽子、大原麗子、多岐川由美……等々、みんな若く、きれいだった。三船敏郎も渋く、味のある芝居をしていた。 「ファミリー劇場」を視聴できる方は、ぜひ見てください。
 それにしても、あのころは、ドラマをきっちり創る素地があったなア、とあらためて思ったことだった。

■渋谷で「論座」の編集者と打ち合わせ。秋より俳優のインタビューを連載する。あるポイントに絞って、ぼくなりの見解でまとめるつもり。現代の日本の映画・演劇・テレビドラマ界を代表する「スター」たちの本音にどう迫れるか。このところ、映画演劇を見る機会が減っているので、ゴールデンウイークは意識して映画等を見ようかと思う。
by katorishu | 2006-04-27 01:46