共謀罪を強行採決か
2006年 04月 28日
■共謀罪が28日にも強行裁決されるかもしれないという。平成の治安維持法といってもいい悪法だと思う。公明党もよくこんなとんでもない法律に賛成したものだ。権力の蜜を一度すってしまうと、そこから離れるのが怖いのかどうか。困った政党である。野党には阻止にむけて全力を傾注して欲しいものだ。
■なぜ、今突然、こんな法律がでてきたのか。背後に隠れた意図があるのだと思う。 中国と台湾がいずれ軍事衝突する可能性があり、そのときに備えて、一種の「国家総動員体制」をつくろうという意図があるのかもしれない。そのほか資源や食糧の獲得をめぐって世界的に大乱になる可能性も絶無とは思えず、そんなときに備えて決めてしまったのか。あるいは、旧内務省の系譜をひく警察庁が、統制色を強める意図で出してきたのか。
いずれにしても、法務省、ないし警察庁の官僚が小泉首相に入れ知恵して提出した法案であろう。背後にはアメリカのブッシュ政権の関与があるのかもしれない。
■ホリエモンが3億円を払って釈放された。今後、裁判の場で彼がどう反逆にでるか、見ものである。彼は「小泉的なるもの」が生み出した化け物の一種かもしれない。テレビで見るかぎり、拘置所で暮らしたことで化け物から人間にもどってきたという印象をうけた。簡素で質素な生活の賜ではないかと思う。
■商才がある人だし、若者に夢や希望を与えたことは否定できない。法律違反を素直に認めて、生まれ変わって欲しいものだ。しかし、これはないものねだりというものかもしれない。
それにしても「国策捜査」の印象をまぬがれない。逮捕の前後、検察の関係者がマスコミで、「こんなことが許される社会はよくない」と話していた。まっとうな意見だと思うが、一般論として検察や法務省などの役人が、へんに正義感ぶって、「悪をこらしめる」ことに情熱を注ぐことも危険である。
■自分たちだけが絶対的に正しいというのを「原理主義」という。原理主義的人間が権力をもつと怖い。彼等は自分が絶対的に正しいと思っているので、「正しい」という基準からはずれた人間を容赦なく取り締まったりする。
■共産主義はその典型例であった。昨日、朝日ニュースレターで、共産党の幹部でセクハラをしたことで糾弾された筆坂某氏が出演し、日本共産党の幹部を批判していた。新潮社で『共産党』というタイトルの新書をだし、売れているという。
筆坂氏のいっていたことも、幹部の中に巣くっている「党の無謬性」の弊害である。自分たちは絶対的に正しいと公言しているので、仮に誤ったことをしても認めず、マイナスの要素をとにかく隠蔽する。共産党の劣勢には、そんな党の本質がこめられているという。
「共産党」という党名も変えたほうがいい。党内にも相当数、いるようだ。
■政治の流れは二大政党体制である。とにかく政権交代によって、ひとつの勢力が権力を持ち続ける弊害を打破して欲しい。
共産や社民は、今後ともチェック機能として一定の役割を果たすと思うが、主流になることは太陽が西から昇るように奇蹟でも起こらない限りあり得ない。ぼくが日頃接する人間に共産党員がいないので、彼等が何を考えているかわからない。どうも、幹部連中は時代の流れを読めていないなと思えてしまう。批判勢力として社民党とともに、必要な組織だと思うので、もう少し時代に即応してかわっていってもらいたいものだ。