三軒茶屋に小劇場誕生
2004年 10月 08日
田園都市線の三軒茶屋駅の近くに、この秋、小劇場が生まれた。本日、劇場のオーナーに路上でちらっとお会いしたのだが、パンフや名刺をもらわなかったので、正確な劇場名は思い出せない。
100人ほどの客しかはいれないが「ナロー・キャスティング」としては格好の場所。ナロー・キャスティングとはブロード・キャスティング(放送)の逆で、ナローつまり狭く、投射するといった意味で、典型は寄席である。演者の息や匂い、汗が感じられる空間で、演者とお客が一体となって、ある劇的空間をつくるといったもので、ぼく流の解釈である。
ここで来年二月、当ホームページのリンク先にもあるオフィス・レクラム舎が「実験的な試み」をするようだ。主宰舎の鈴木一功氏から連絡があり、本日、三軒茶屋の喫茶店でお会いした。20分前後の短い作品を何人かの脚本家に書いてもらう……という試みで総合タイトルは「ベンチ」。スケジュールの上で、やや苦しいが、短編ということなので引き受けることにした。
オフィス・レクラム舎も三軒茶屋にあり「ご町内」ということで、一種のお祭りの延長線上として考えたい。
三軒茶屋には現在、区が運営する「世田谷パブリック・シアター」と「シアター・トラム」がある。この二つの劇場ができたのを契機に、小劇場がいくつもある下北沢と並んで三軒茶屋も演劇の町になるのでは……といった期待も一部にはあったようだが、その後、新しい劇場は、すくなくともぼくの知る限り誕生していない。
これが刺激になって、二つ、三つと新しい演劇の場ができると、活性化するのだが。