小泉・小沢党首討論
2006年 05月 18日
■小泉自民党党首と小沢民主党党首の党首討論を午後3時からNHKの生中継で見た。ガセメール問題でどん底まで落ちた民主党が小沢新党首によって勢いを盛り返したこともあり、小沢氏がどう小泉氏を責めるか、期待して見たのだが。
第一印象は小沢党首が妙に穏やかであったということ。「豪腕政治家」といわれた小沢氏にしてはソフトムードで、対する小泉党首は余裕をもって答えていた。最初なのでセレモニー的なところもあったのかどうか。この討論に限ってはやや期待はずれであった。
■冒頭、医療費関連の法案を与党が強行採決したことに敢えてふれ、やんわりと多数党の横暴をいさめていた。あとは「教育問題」のやりとりにつきた。40分ちょっとの短い時間なので、ゆっくりしゃべる小沢氏の攻め方では、大した内容の議論はできないなと少々苛立ちながら見ているうち、時間切れになってしまった。
どう突っ込んでも1時間にも満たない討論では、小泉氏にいなされ、かわされてしまうかもしれない。しかし、国民向けのアピールの場なので、もうすこし「直球」をなげたほうがよかったのではないか。次以降を期待したいものだ。
策士の小沢氏なので、好意的に解釈すれば、ソフト路線で切り出したのも作戦のうちなのか。
すごみを感じられなかったのは、持病と加齢の故なのかもしれない。
■本日強行採決された医療改革法によると、高齢者の医療費負担が2割から3割増えるとのこと。今後、団塊の世代などが高齢者になっていくと、医療費が増えるので前もって手をうっておこうという関係省庁の思惑があるのだろう。
高齢者の多くは働けない。(働く能力や気力があってもその場がない)。一部金持ち層はいるものの圧倒的多数は「社会的な弱者」の部類にはいる。中国の農村などでは病気になっても医者にかかれない層が圧倒的に多いという。日本はまだ恵まれているが、例えば国民年金だけで生活をしている人など、病気になっても医者にいけないだろう。健康保険料が払えなくて保険から脱退している人も相当数いるという。
■小泉政権は「強者」には甘く「弱者」に厳しい政権といっていいだろう。現に、社会的に強者の多い医師会などは厚い保護政策がとられているし、高額所得者への税も以前に比べずいぶんと優遇されている。そういえば、橋本元首相が1億円をうけとったことでマスコミをにぎわせた歯科医師会関連の団体など、医療関連の法改正で、ずいぶんと有利なはからいを受けている。
■市場経済のもとでは強者はほっておいてもますます強者になっていくのだし、手厚い保護など必要がない。なのに、こちらには手厚い保護をし、保護すべき弱者からは薄く広くとろうとする。銀行預金の低金利政策でどれほどのカネが国民から銀行に移動したか。その銀行が消費者金融に多額の資金を融資し、弱者からさらにカネを吸い上げている。
■急増する高齢者層が、医療の面で「金食い虫」になっている現状や先行きの危機はわかるが、これほど国民の多くに影響のおよぶ法案を強行採決するのはいただけない。
ひとつの党に圧倒的多数の支持をあたえるとロクなことがない。多数を与えたことのマイナス面が具体的な形となって現れてきたようで、今後とも要注意である。
■携帯パソコンを修理にだしているので、外出してもどうも落ち着かない。一杯のコーヒーを飲みに出るときでもたいてい携帯パソコンをもって出ていた。パソコンにはメモの機能もになわせているので、30分以上時間があればパソコンを開いて、思いついたことをメモしたり、原稿書きをしたりする。平凡社の百科事典や英語辞典ほかの情報もつまっているので、これがないといろいろとさしつかえる。
家のデスクトップのパソコンは19インチと比較的大画面だし目も疲れないのだが、長年「ながら族」を続けてきたので、どうも家の中より外で携帯パソコンを使用するほうが気持ちが乗る。すでにパソコン依存症になっているのかもしれない。それもかなり重症の。