コラム


by katorishu
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朝日ニュースレターが面白い

 6月3日(土)
■品川図書館で調べものと執筆。そのあと品川神社方向に歩いていったところ、妙に人が多い。そうだった、品川神社の例大祭の日であった。過日の荏原神社の大王祭が営まれた地区の隣であったが、品川神社のほうが規模が大きいので、人出も多いようだった。

■ただ、舞殿での神楽など、情緒の面では荏原神社のほうがよかった。品川神社の舞殿では踊りが披露されていたが、カラオケであり、年取ったオバサンが日本舞踊と思われる「舞」を披露していただけ。花魁道中なども品川神社につづく北品川通りから旧東海道にかけてつづいていたが、7,8人の「道中」で、あまり趣を感じなかった。 
 露店が多く、10代の若者が目立った。彼等の関心はもっぱら食べることのようだった。

■最近、朝日ニュースレターの討論番組を見ることが多い。毎日いくつかの討論、対談番組があり、政府与党の政治家をはじめ、問題の当事者が出演し、それにキャスターが切り込んだりして、面白い。なにより、1時間、2時間と時間をかけるので、問題の核心が比較的浮き彫りになりやすい。筆者が思考を練った記す論文や記事ほど深みはないにしても。

■以前『噂の真相』という雑誌があり、果敢に社会の暗部や権力者のワルに切り込んでいて、面白かった。が、2年前、岡留編集長が「予定通り」のこととして廃刊にした。
 この雑誌を、朝日ニュースレターで映像版として復活させた。岡留氏が編集長格で出演し、小西克也氏が司会で、佐高信氏や塩田潮氏、松田賢也氏などフリーの論客をそろえて、いろいろな問題に切り込んでいく。

■本日見たのは「カネと政治」の問題で、とくに「ITと政治家」について論者が面白い情報を提供していた。元参議院議員で、衆議院事務局につとめ議長秘書をしていた平野貞夫氏は、内部情報を知るだけに、国政調査費などの公費がが政治家や官僚たちによってどう使われていたかを具体的に話していた。

■金丸信元自民党幹事長が社会党議員などを温泉で接待していた話や、生臭い話も出ていた。以前は政治とカネの問題について、大マスコミが積極的に調査報道する姿勢があった。ところが、現在、マスコミの「劣化」が進んでいると、4人の論客が一様に口をそろえていた。
 記者の勉強不足と指摘する声もあった。
 日本歯科医連盟から橋本元首相への1億献金疑惑も、その後、沙汰やみなっているようだ。これは奇妙な事件で村岡兼造元幹事長ひとりが生け贄にあげられていた。橋本元首相は選挙に出ないということで、検察を「取引」をしたのではないか……とのことだが、メディアが追求しなければいけない問題だろう。

■与党政治家へ企業から流れるカネは「迂回献金」という形になり、いったん国民協会などに入金され、「マネーロンダリング」されるので、賄賂性などが外からはわからない。日歯連への1億円献金も愛知県での選挙違反の摘発から漏れたもので、そうでなければ水面下で処理され、国民は知らないことだった。その類のカネの流れが政界には相当あるようだ。

■週明けに、村上ファンドの村上氏へ強制捜査がはいる見込みだが、佐高氏が村上ファンドへ多額の金を投資していたオリックスの宮内義彦氏についてどのマスコミも触れないのは奇妙だと指摘していた。宮内氏は小泉総理の経済改革の民間委員の座長で、竹中総務相とも近い。テレビも新聞も、記者クラブに依存するメディアは、ジャーナリズムの本来の役割のひとつである「権力への監視、批判」をしなくなっていることが問題である、と論者は話していた。

■わずかに週刊誌が時折、突っ込んだ取材をしているが、これでは本当のことが国民に伝わっていかない。小泉政権にまつわる「金銭スキャンダル」もいろいろとあるようだが、警察も検察も当事者が権力にあるうちはなかなか動かない。政権末期にきて、次の政権にうつれば、新しい政治スキャンダルが表に出るようなことを、政界通の平野氏が話していた。村上氏への強制捜査を突破口として、政治とカネの流れの一端が暴露されることを期待したい。それらのカネは国民のひとりひとりがおさめた税金なのである。どう使われるかに、国民はもっと関心をよせ、不正に使われることに怒りを発しないと。民主主義はいまだ途上にある、といわざるを得ない。
by katorishu | 2006-06-04 05:13