コラム


by katorishu
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映画『嫌われ松子の一生』 

 6月12日(月)
■ワールドサッカーに日本チームがでることと関係あるのかどうか、本日、午後10時半過ぎの山手線、京浜東北線などの電車は普段よりずいぶんすいていた。早めに帰宅してテレビ中継を見る人が多かったのかもしれない。
 残念ながらオーストラリアに逆転負けしてしまった。終わりの30分ほどをテレビ中継で見たのだが、相次いで点を入れられた。それほどの強豪でもないオーストラリアに負けると、日本チームはこれから苦しくなりそうだ。サッカーファンでもないが、ここは日本チームに頑張って欲しいものである。

■午後、近くのコーヒー店で某編集部の編集者と「戦争体験とテレビメディア」関連の原稿執筆の件で打ち合わせ。本日は朝方まで原稿と格闘していたので、エネルギーが枯渇してしまい、血圧が珍しく146になっていたので、仕事をしないことにした。パソコンもこのブログを書くために使用する程度だ。低血圧気味のぼくには初めての「高血圧」で、要注意のようだ。
 病気で倒れることを何よりも懸念する。

■打ち合わせ後、カミサンと渋谷に出て「シネクイント」で映画『嫌われ松子の一生』(中島哲也脚本・監督作品)を見た。予告編を見たときはそれほど見る気がしなかったのだが、週刊誌で小林信彦氏が主演の中谷美紀のことをずいぶん褒めていたので見てみることにした。
映画開始直後、あまりの音楽の音の大きささと画像の氾濫に閉口した。脚本・監督の中島氏はCMディレクター出身と知って、納得した。とにかく映像と音楽に懲り「長いCM」という印象の作品であった。

■昭和時代への郷愁をかりたてながら、CGを多様したエンターテインメントで、悪いできだとは思わない。昨年度の成功作『三丁目の夕陽』を強く意識していると思われた。
 難点をいえば、どうも人間関係が「煮詰まっていかない」ことだ。ポンポン映像が変わり、音楽が随所にはさみこまれ、シーンのひとつひとつはこりに凝っていて観客をあきさせないのだが、そのぶん「描写」が希薄になりパターンになりがちである。
 この作のホームページには「ハリウッド映画の娯楽大作を意識しつつも、今までに見たことがないエンターテインメント作品との評価を得て、日本映画界に衝撃を与えた」と記されてあったが。
 最近、どうもこの種の作品が多い。ぼくなどは、逆に愚直に正攻法で描く作に、かえって新鮮さを感じる。もちろん、こういう新しい芽も大事ではあるが。人と人との関係の「詰め方」が希薄であると思わざるをえない。

■渋谷のパルコにある映画館なので、7割ほどはいっている客の9割は20代から30代だった。彼等は楽しく見ていたようであった。
 7割ほど入っているのだし、興行的には成功かもしれない。TBSが制作に協力し、テレビ等で宣伝したことも、若い観客がつめかける原因になっているのだろう。最近の映画はテレビ局をからめたものが多く、それ以外の映画が興行的に成功するのは至難のワザである。これはこれで問題である。いずれにしても、「骨休め、頭休め」にはなった。
 終わって食べた井の頭線の駅ビル「マークシティ」にある「つばめグリル」のハンバーグの味は格別。ハンバーグなど一年に数度しか食べないが、食べるとしたら、「つばめグリル」にしたいもの。うるさい音楽などもなく、店員の応対も感じがよい。それでいて、ぼくなどが気楽に入れる料金の店である。
by katorishu | 2006-06-13 01:26