コラム


by katorishu
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ワールドサッカー、世界水準は先の先

 6月23日(金)
■北千住で脚本アーカイブズの会議。ワールドサッカーの日本対ブラジルの試合をテレビで朝まで見ていたので寝不足。日本はブラジルに惨敗したが、素人目にも、ブラジルとの差は歴然としていた。スポーツマスコミは決勝トーナメントへ日本チームが進出するのが当然と、過度に「実力」を煽ってきた。煽られた国民は、決勝トーナメントに進むのが当然と思っていたようだが、日本チームの実力は世界基準からはまだ遠い。
 ブラジルチームの選手はボールが足に粘るようにからみついており、動きも状況判断も的確だった。日本は1ゴールを決めたことで、満足しなければいけないのだろう。

■もちろん日本チームに勝って欲しかったが、それとは別にテレビ中継でのスポーツコメンテーターと称する人や起用したタレントたちの、あまりのはしゃぎようは、醜い。
 今朝の中継はNHKのBSだったが、アナウンサーも解説者も比較的冷静で、悪くなかった。それに比べ、高視聴率をあげた過日のゴールデンタイムで放送された民放の中継は、アナウンサーや解説者がやたらとうるさく、はなはだしく品位に欠けていた。NHKが比較的年配のアナウンサーと解説者を起用していたのに対し、民放が若いアナウンサーを起用していた。その差がでたのだろう。
 ドラマなども、やたらとオーバーアクションでうるさくなっているし、どうも微妙なものを感じ取る繊細さを、多くの日本人は失ってしまったのではないかと危惧される。

■マスコミ等のはしゃぎぶりの中、中田選手の寡黙な姿勢には好感がもてた。日本人はいつから、ギャーギャー、スピッツのように騒ぐ人間がのさばる社会になってしまったのか。選手がブルーのユニフォームを着ていたので、「サムライブルー」などという言葉をマスコミは使っていたが、笑ってしまう。「サムライ」はもっと寡黙で、求道的のはず。
 プレーをする選手の寡黙さには好感をもてたが、テレビ関係者のはしゃぎようには、眉をひそめたくなる。

■テレビをラジオで「聴いて」みるとよい。とにかく、うるさく品位がない。渋谷の繁華街に足を踏み入れた人は感じていると思うが、道路のスピーカーや商店から流れてくる音楽の、うるさいこと。
 聴覚の麻痺している人が、多くなっている証拠である。聴覚の鈍磨は、静かに声を発するものへの鈍感さに通じ、他人の言葉に耳を傾けない「自己中心」につながる。

■そういえば、最近電車の中でも歩いていても、イヤホンをはめて音楽などをのべつまくなしに聞いている人が多い。あんな聴き方を長時間続けていたら、難聴になってしまう。少なくとも、音への感度は鈍るだろう。渋谷の町のうるささや、テレビのうるささと、難聴ないしその予備軍の増加とは、相関関係にあるに違いない。
by katorishu | 2006-06-24 01:37