コラム


by katorishu
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少子高齢化、世界一の衝撃

 6月30日(金)
■先の国勢調査で、日本は高齢化率でも少子化率でも世界一となったことが裏付けられた。ほかの先進国でもこの問題は深刻化しつつあるが、日本が突出している。ありがたくない結果である。人口構成上、極めて困った状態で、20年後、30年後、深刻な事態がもちあがるにちがいない。日本最大の危機である、とぼくは思っている。

■この傾向が進めば、年金制度は破綻するし、そもそも社会システムが正常に機能しなくなる。経済活動は停滞し、町には杖をつきヨロヨロ歩く老人の群ればかりで、陰気な空気が支配するだろう。一部元気な老人もいるが、総じて高齢者は活動力が弱く、人に頼らないと生きていけない人が多い。その「頼るべき人」が激減するのである。
 若さを失った社会を「成熟した社会」などと言葉の言い換えでごまかそうとする人もいるが、若さを順に生み出していったからこそ、繁栄を築いてきたのである。それが杜絶すつことは、民族の衰亡を意味する。

■少々の貯金があり年金がもらえるから安心などと考えている人たちは甘い。自分さえ満足すればそれでいいという利己的な考えでは、当の本人が満足に生活できなくなる。子供を安心して生み育てられる環境をつくるために、微力ながら力をそそぐべきだろう。
 更に、急激な少子化を食い止めるための手だてを真剣に考える政治家に投票することだ。政治の力を借りなければ、打開できない。「少子高齢化は結構」などという論を展開する人もいるが、自分の生活がよければそれで結構という人と同じで、説得力をもたない。

■長年日本を牛耳ってきた政府与党では、この流れを食い止めることはできないだろう。これまで堆積したきた社会のいろいろな分野での歪みが複合して少子化を招いているのだから。危機打開のため、定年延長や働きたい高齢者に、それなりの働く場をあたえる政策が緊急に必要である。相変わらず既得権益にしがみつく「政官財」の癒着の構造では、この危機は回避できない。

■ときどき、睡眠薬をもらいにいく以外、幸いにも病院やクリニックの類に足を運ぶことはない。本日、久しぶりに近所のクリニックに睡眠薬をもらいにいった。
 待合室に飛び交う外国語の多さに驚いた。韓国語、中国語はわかるが、ほかにタガログ語なのかインドネシア語なのかあるいは他の国の言語なのか、3,4カ国語がゆきかい、子供たちの顔もさまざまである。
 ボーダレス化はここまできている、と実感した。現在、東京区内であったか結婚する男女の10組に1組は国際結婚であるという。多民族、多文化でしか、少子高齢化問題は乗り越えられないのではないか。

■ヨーロッパは移民を多く入れたことの後遺症に悩んでいるといわれるが、移民は大抵、その国の国民がやりたくない仕事についてきた。それ以外の選択肢を与えられなかったのである。教育や語学力、宗教等の違いも理由のひとつではあった。
 その結果、移民は経済的にも低水準におかれ、民族の混淆もすすまず、貧のまま据え置かれた。移民を見下し、単に労働力のためといった考えでは、ヨーロッパの二の舞を踏むだけだろう。

■仮に移民をもっと積極的にすすめる場合、日本文化の担い手としても彼等に重要は役割を果たしてもらう必要がある。そのために必要なのは、日本語の読み書き能力である。肌の色はちがっても、「日本語」を過不足なく使いこなし、日本の生活習慣、年中行事などに意味を見いだし実行してもらえたら、その人はもう立派な「日本人」である。

■いずれにしても、少子高齢化に早く有効な方策をとらないと、数十年後の日本は悲惨な国になる可能性が強い。50年。100年単位で国の行く末を考え政策を打ち出していく政治家や官僚がすくないのが気になる。「株主至上主義」が主導権を握りつつある現在、会社の経営者に期待するのは無理である。彼等はとにかく目先の利益を確保することのみにアクセク
by katorishu | 2006-07-01 01:35