月刊現代、政商としての宮内義彦オリックス会長
2006年 07月 02日
■『月刊現代』8月号に「平成の政商・宮内義彦」という論文が載っている。オリックス会長の宮内氏のことである。ノンフィクションライターの森功氏が多方面から取材して、村上ファンドと宮内氏の深い関係をあぶりだしている。今回はその第一回。原稿用紙80枚の力作ノンフィクションである。
■通産省とアメリカの外圧を巧みに利用して単なるリース会社を200数十社を傘下におさめる巨大企業に育てあげた。宮内氏の生い立ちや、成功へのプロセスが描かれる。
1980年代の「日米通商摩擦」をビジネスに大いに利用し、いかに通産省に食い込み、極めてうまみのある商売で急成長したか、具体例をあげて記されている。そのプロセスで村上ファンドの村上社長を知り合い、深いビジネス関係をむすぶ。村上ファンドとオリックスは一体化した組織といってもよく、村上社長の逮捕のあと、宮内氏がマスコミ等から逃げているのは、よくわかる。
■小泉改革にも宮内氏は深くからんでおり、今後、宮内氏のやってきたことは、いろんなところから表面にでてくるにちがいない。森氏の取材に対してオリックス広報部がとった対応も記されている。
取材前から森氏や編集部に恫喝まがいのファックスなどを送っているが、そういうこともすべて記して宮内氏と政治の関係にせまろうとしている。
■新聞やテレビでは、こういう深部の情報は得られない。テレビしか見ていない人は、日本について実情を知ることはできないだろう。はやり総合雑誌や単行本である。取材対象者から告訴されかねないリスクを犯しながら、真実をもとめて対象に切り込んでいく。こういうフリーのノンフィクションライターこそ、今もとめられる。