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人間をまっとうに描く山田洋次監督

 7月13日(木)
■蒸し暑い。たんに温度が高いだけならいいのだが、湿度が高いのには閉口する。暑さの中、品川図書館まで歩いていったところ、休館日だった。月に一度ほど木曜が休館になるらしい。以前にも出向いたところ休館だった。久しぶりに万歩計をつけて歩いたが、往復で3500歩ほど。資料やパソコンをいれた重い鞄を手にもっているので、適度の運動にはなったが、調べものをしようと思っていたので、仕事への意欲が大いにそがれた。

■校正のほか、ボランティア原稿書き等々で、気がつくともう夜。食後の息抜きにDVDで山田洋次監督作品の『息子』を見た。バブルのころの作品で、岩手の農村に住む父(三國蓮太郎)と都会に出た二人の息子の間の物語。長瀬正敏演じる次男と父との、古くて新しいふれ合いが、芯になっている。最近のドラマはもちろん映画もオーバーアクションの演技が多すぎ、深い感動を覚えるものがすくないが、この作は役者の演技力と卓抜な台詞とで「人間がただ生きていること自体で覚えずにいらない深い悲しみ」を描いていて、感銘を受けた。

■山田洋次監督はいわゆる「芸術派」ではないが、大衆の気持ちがじつによくわかっている。それも「偉い人」や「金持ち」ではなく、底辺に近いところで生きる圧倒的多数の庶民の心がよくわかっている。愚直ともいえるほど、人間を真っ正面からとらえ、リアリズムで描く。こういう映像作家が、最近じつに少なくなった。とにかく奇をてらい、映像と音楽に頼りすぎの作品が多すぎる。
 内容の空疎さを補うために、そうせざるを得ないのだろうが。

■中東情勢、東アジア情勢ともに危険な水域に近づいている。一歩間違うと、とんでもない事態になるかもしれない。中東ではイスラエルの暴走が気になる。
 東アジア情勢では、北朝鮮である。地続きの中国にせよ、韓国にせよ、今ここで北朝鮮の政権が崩壊すると、2000万を超える「難民」に直面する恐れがあり、なんとか金正日政権を維持させようとしているのだろう。一方、日本政府は「制裁」を前面に打ち出そうとしてが、どうやら孤立してしまった。アメリカの真意を読み取れなかったからではないのか。

■金政権はとんでもない政権だが、周辺国が強硬策に出て、政権がつぶれると、次にどういう深刻な事態が起きるか。怖いものがる。一週間ほど前、7発続けてミサイルを発射したが、標的は、じつは中国と韓国にも向けられていたという説もある。「俺はただでは死なない。お国の首都もまきぞえにするぞ」という金正日の恫喝のメッセージがこめられているというのである。

■真偽のほどはわからないが、じつに困った国家になってしまったものだ。経済的にはとっくの昔に破綻しているので、周辺国に援助を、お願いするのではなく、強要する国家。釜山での韓国との閣僚級の会談でも、北は50万トンの食糧を支援するよう要求した。結局物別れに終わった。

■北への宥和政策を打ち出した盧武鉉大統領に対して、韓国国内でも強い批判が出ている。
 新聞などの批判に対し、大統領は言論弾圧策で応じる姿勢だが、困ったことである。金正日に対しては、なだめすかしたりしながら、なんとか暴発に至らせずに政権を放棄させるしかないのだが、なにしろ彼は権力の座から離れることを極度に恐れる独裁者でる。平和裡に権力の座から降りるはずもない。となると、武力でということになるが、これは大変危険なことだ。
 で、なだめすかしたりしながら、彼の死を待つ……ということになるのか。息子の誰かに世襲した時点で滅ぶだろう。そのあとに展開する混乱は大変なもので、だからこそ関係国はなんとか「現状維持」をと考えているのだろうが、いつまでもつことか。

■北朝鮮をめぐって、中国もロシアも、アメリカも、いろいろな思惑がからみ、極めて複雑な動きをしている。北朝鮮問題は核開発問題とからんでおり、当然、イラン問題とつながっている。
 水面下ではいろいろな動きがあるのだろうが、今は見えていない。

■脱税した某土木建設会社から、北朝鮮への援助活動をしているNGOのレインボーブリッジに4,5億の資金が流れていたという。妙な話だ。更にこの会社から京都に住む元自民党実力者に毎年500万の献金があったとのこと。この実力者は北朝鮮とのつながりの深い議員だった。そういえば、汚職で捕まった自民党の最高実力者、金丸信氏の事務所から金の延べ棒が沢山でてきたが、それは北朝鮮から送られたもの……といわれたものだ。

■ひところ日本から北朝鮮へ米の支援がなされたが、その代金の一部が日本の与党の「実力政治家」に「キックバック」されていたという噂もある。戦後のインドネシアへの賠償が、ゼネコンや政治家の利権の巣で、賠償の資金のかなりの部分が日本にもどってきたとのことだが、北朝鮮への「支援」の影でその類のことが行われていたのだろうか。
 国際政治には裏の裏があり、さらにその裏もあり、当事国(その時点での指導者)の思惑が複雑微妙にからむので、どう解釈、分析するか、生易しいことではない。

■今後の国際情勢の不安定要因は、東アジアというより、やはり中東だろう。イランとイスラエルの存在が最大の問題である。ともに生存を賭けて戦う意欲満々であるし、アメリカでもおさえきれない。さらに自力をつけてきた中国。そして統制色を強め往年の大国「ロシア」の復活のため着々と手をうっているプーチン政権。これらの問題国の指導者の思惑がからみあい新たな混乱のうねりが起きており、いずれこのうねりが津波のようにふくれあがり、大惨禍をもたらすかもしれない。 ぼくの憶測が杞憂であることを説に望みたいが……。 
by katorishu | 2006-07-14 02:55