コラム


by katorishu
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とにかく暑い

 7月14日(金)
■とにかく暑いの一語につきる。東京は35度であったとか。あまり汗をかかないタイプなので、暑さが逆に体にこたえる。で、冷房の効いている室内にはいると、こちらは寒すぎる。
 適度ということが、温度ひとつとっても欠けている。

■テレビドラマの演出家とプロデューサー氏と雑談をかねて昼食を食べた。いずれも「かつて活躍していた」人たちであり、当然、今の状況に不満を抱いている。
 時代の流れで仕方がないのかもしれないが、テレビのドラマ枠、とくに単発の1時間ドラマ枠がなくなってしまったことが、「ドラマの質」の低下につながっている。

■1時間枠の単発ドラマが健在であったころは、企画、脚本が重視されていたので、有為の才能が参入していたのだが、「トレンディドラマ」が流行りだしたころから、タレント優先になり、「作家性」が軽視されていった。作家性をもった脚本家が、排除されていったようだ。
 受け手の変化も影響している。じっくり見せるものを「面白くない」と感じ、コマーシャルのようにテンポよく次々画面がかわり、漫画的に誇張された演技を「面白い」と感じる。そんな層が増えてきた結果なのだろう。わからないでもないが、問題はこっちのほうが一辺倒になってしまったことだ。コンビニが全国を席巻してしまい、便利にはなったものの、選択の可能性が狭くなったのと、どこかで相通じている。

■レバノン情勢が緊迫している。イスラエルが中東に存在しつづける限り、この地域の紛争は絶えないかもしれない。そもそも第二次大戦後、イスラエルをあの地に作る必要があったのかどうか。アメリカ合衆国の中にユダヤ人の「国家」を作る計画もあったときく。

■国際情勢の緊張の火だねとなり、さらにどんな重大な事態になるかわからない。それにしても欧米列強の植民地獲得競争がいかに罪深い影を落としているか、あらためて思う。
 日本が戦前、軍事大国化したのも、そもそもは欧米列強の植民地化されないためだった。時代の風潮にのって日清、日露の戦争に勝ったことで慢心し、自ら欧米列強の一員になろうとちて、大変な事態を招いてしまった。

■日本文化には「節度をまもる」「ほどほどに」という精神があったはずである。戦後、欲張り政策を反省し、ほどほどで満足し、とにかく平和に生きたいという切ない思いで再出発したはずであったが、たまさかの幸運で「奇蹟の経済成長」をとげた結果、またぞろ人間の内部にひそむ「我欲」が鎌首をもたげてしまった。バブル経済で頂点に達し、その後、経済失速したことで、反省の気持ちが生まれたはずだが、小泉改革という名の「アメリカ化」によって、またも強欲こそ正しいとする連中がのさばる世の中にしてしまった。

■環境問題等を考えると、世界の大きな流れは「節約」「質素」「質実剛健」である。ここにこそ「日本文化」の良さがあるのだが、カネに目がくらむと本人が気づかぬうちに「拝金教徒」になってしまう。そして、我こそが稼いで「国益」をもたらしており、「世のため人のため」になっていると錯覚する。
 オリックスの宮内会長の問題など、ミサイル発射問題でどこかに吹き飛んでしまった格好jだが、忘れてはいけない問題である。特捜部は黙々と押収した資料を精査して、結果をだしてくれるものと期待したい。
by katorishu | 2006-07-15 00:34