昭和天皇が靖国A級戦犯合祀への不快感表明
2006年 07月 21日
■大森駅近くでノンフィクションの再校の件で鈴木氏にお会いする。早めにいき喫茶店内においてあった日経新聞に目をやったところ、スクープのトップ記事が飛び込んできた。昭和天皇が靖国のA級戦犯合祀に関し不快感を示したとのことだ。A級戦犯を合祀したことに、不快感を示しそれが「わたしの心だ」と語ったことで、注目される。
■靖国神社には明治維新のときの西郷隆盛らも合祀されていないし、明治の薩長藩閥政府のための神社の趣が強い。明治維新の前からある「村の鎮守の神社」にはいい感情をもっているが、靖国神社には、ぼくはあまり好感を抱いていない。
靖国神社には取材で一度、いったことがある。ある戦友会を取材するためで、靖国で最後の解散式をかねた集まりがあった。それなりの趣のある場所であったが、戦前の「大日本帝国」につながる「大国」意識をもちたいとする層のより所……と思うと、とてもここにお参りする気にはなれない。
■東京裁判は勝者が敗者を裁いた裁判で、公平さ、公正さに欠ける裁判であったが、日本はそれを一応受け容れた国際社会へ復帰したのである。東京裁判の結果をくつがえすことにはアメリカ等の抵抗があるので、現実的ではないかもしれない。それより、あらたに日本国民による、遅すぎた「東京裁判」を開くといいのではないか。
■戦後60数年たって、いろいろと新資料も出てきているし、あらためて国会が中心になって、「あの戦争」の責任問題も含め、日本国民による「戦争裁判」を開くのである。
賛否両論、大変な議論になるだろうが、議論を通して戦争の実態を国民に広く深く知らせることになるし、あらためて日本国を考える上で、大いに意味のあることと思う。
■とにかく、昭和の歴史について、あまりに知識が乏しい国民が多すぎる。教育の現場でもあまり現代日本史は教えていないようだし、多少とでも仕事で昭和史の勉強をしたぼくなどから見て、「こんなことも知らないのか」と驚くことが多い。若い人に限らず、中高年にしても、知らなすぎる。知識に乏しい人に限って、妙に自信をもって判断しようとする。どういう判断をしてもいいのだが、最低限これだけは知って欲しいという知識がなくては「判断」など出来るものではないのだが。
■OECDの調査で、日本は世界でアメリカについで2番目に貧困層の率が高いという結果がでたという。可処分所得や物価水準を勘案した数字であり、あらためて格差の問題が浮き彫りになった。
小泉改革やバブル崩壊後の政府の一連の政策によって、富がいかに一部に偏ってしまったか。ぼくの周囲を見回しても、よくわかる。日々の生活に追われている人が圧倒的に多い。ぼくの知人友人がとくに「香港層」ではなく、どちらかというと「恵まれている」層も多いのだが、それでも大半は日々の暮らしを続けるのやっとという感じである。
■とにかく日々を普通に生きていく上で経費がかかりすぎるのである。市場原理社会なので、成功した企業は国民から、それと意識されないように、定期的にお金を吸い上げるビジネスモデルの構築に邁進している。国もそれを奨励し、お金がないと、なにも出来ない社会システムが出来上がってしまった。まさにアメリカ型社会である。
繰り返し強調していることだが、アメリカ型社会は日本の文化伝統に馴染まない。アメリカの51番目の州ではないのだし、アメリカともうすこし距離をおき、「アジアの日本」であることを自覚するべきだろう。
■社会を変えるためにもっとも強い威力を発揮するのは、政治である。政治を変えなければどうしようもない。適当な野党があるかどうか、異論もあるが、ここはとにかく政権交代である。
長野県知事選挙がはじまり田中康男氏が立候補したが、長野県政は田中知事によって大きくかわった。政権交代が怒れば日本全体が劇的にかわる。
■本日は六本木で、放送作家協会の広報委員会の会議。今期より広報委員長をおりたが、委員として留任している。ホームページをもっと有効活用することなど率直な意見交換をした。仕事部屋のエアコンが壊れてしまったが、クーラーはなるべく使いたくないので、扇風機を買うことにした。資料などが山積みして狭い空間しかないので、小型の扇風機を買った。なるべくシンプルなもの……と思いイオンにいったところ、1800円ほどの安価の扇風機を売っていた。本日は割引きの日なので、結局1501円の価格。
これで十分扇風機としての機能をもつ。安くなったものであるが、作り手に利益はあるのだろうか、と心配になる。中国か東南アジアの低賃金の労働者によって作られるのだろう。安いのは結構なのだが……。