コラム


by katorishu
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隅田川の花火

 7月29日(土)
■今これを書いているのは、30日の午後3時ずぎ。昨日、29日、隅田川の花火を初めから終わりまで見た。両国の花火ともいわれる江戸時代から伝統ある花火を、ちゃんと見るのは初めてだった。浅草の隅田川ぞいにいくつか高層建物があるが、その18階にある知り合いのデザイン事務所のベランダから見た。斜め前方の隅田川に浮かべた平たい船のようなところから打ち上げられていた。計1時間ほどであったが、十分堪能した。

■子供もふくめ30人近く集まったのではないか。浴衣を着ている人もいた。当然、ビールやワインなどの酒類を飲みながらの見物。18階の高さから見える東京の町は、ほんとに「人工的」で緑が極端に少ない。わずかに眼下の隅田川の流れが「自然」を感じさせてくれる。 
 ビルの明かりで全体が明るいので、花火の効果も相当程度薄れるに違いない。江戸時代とまでいかなくとも、昭和30年代であったら、夜は今よりずっと暗かったはずなので、花火のきれいさも際だったに違いない。昭和20年代、近くの河原で行われた花火大会の記憶がある。今よりずっと単純な花火であったはずだが、爆発音とともに夜空にパッと咲く花の火の何と鮮やかであったことか。ヤブ蚊などにさされながらの見物で、みんな虫除けのうちわをもっていた。

■主催者発表によると、この日の花火大会には90万人が集まり、2万発が打ち上げられたという。第一会場と第二会場にわけられていることも初めて知った。18階のデザイン事務所からは、隣のビルの影になって上流の第一会場の花火はまったく見えなかった。目の下はアサヒビールの金色の泡のモニュメントがあるビル。
 新潟他の地方からの花火師たちが、それぞれ競って華麗な花火を打ち上げていることもわかった。上空にはヘリコプターが10機近く飛んでいた。テレビ東京が生中継の特番を放送していたようで、そのための取材ヘリが半分をしめていたのかもしれない。

■次々と破裂音とともに打ち上がる花火を見ながら、レバノンとイスラエルの砲撃のシーンがだぶってしまった。BBCなどのテレビニュースで、イスラエル軍機の空襲で燃え上がるレバノン南部の都市が甦ってくる。
 目の前で次々と打ちあがる花火が砲弾であったら……とどうしても連想の翼をひろげてしまう。

■終わってカミサンと久しぶりに浅草寺界隈をぶらぶら歩く。若い人、それも浴衣姿の人が目立った。欧米系の外国人も目についた。浅草の日本旅館が彼等、欧米系旅行者の「宿泊所」になっていることの影響か。飲屋街はどこも満員だった。路地に簡易なテーブルをおいて、昔の縁台で飲み食いするような「お祭り気分」が漂っていて、これはこれで結構な風景だと思った。
 そんな店の一軒にはいり、ビールなどを飲んだ。つい飲み過ぎて、翌日(本日)フツカヨイ。
 15時から行われる某氏の出版パーティに出る予定であったが、体調不良につき欠席。アルコールに強い人には理解できないかもしれないが、ちょっと大目に飲むと、翌日は夕方近くまで半病人状態になる。おかげで、「不義理」が重なってしまうが……ご寛恕のほどを。
by katorishu | 2006-07-30 16:32