コラム


by katorishu
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下戸なのに 

8月2日(水)
■二日連続、飲み会に参加し、限度を超えて飲んでしまったので、バテ気味。フツカヨイというほどではないが、睡眠不足がこたえる。アルコールを飲むとよく眠れるというのは正しくない。体質的にアルコールに弱く、昨夜の飲み会でも途中で眠ってしまったが、この途中で眠るというのがくせ者である。

■帰宅してもちょっと眠った。それはいいのだが、そのあと睡魔がやってこないのである。アルコールが入っているので睡眠薬を飲みにくい。で、結局、布団のなかで起きていることになる。おかげで週刊誌2誌と本を半分ほど読めた。『戦後和解』(小菅信子著、中公新書)。日本は過去のあの戦争から解き放たれたのかを豊富な文献をもとに丁寧に検証している。歴史認識をめぐり近隣諸国との軋轢も絶えない現在、面白い本だった。ドイツのニュルンベルグ裁判と東京裁判の違い、とくに東京裁判の問題点などを冷静に分析している。筆者は40代の学者で、戦後の日本を覆っていたマルクス主義のイデオロギーとは無縁の世代である。30代、40代の研究者の分析には案外、教えられることが多い。

■昭和30年代後半から40年代にかけて読んだ昭和史の本は、ほとんどがマルクス主義史観から検証したものだった。新書なども、その類の本しかなかったといってよい。
 戦前のものはすべて悪いというアメリカ占領軍の「日本人に罪の意識を植え付け再教育を施す」政策にうまく合致していたといってよい。
 一種の刷り込みが行われており、いまだにその呪縛から解放されない人も多いようだ。

■ぼくより上の年配の人は、戦争を実際に体験している人が多いので、どうしても戦争となると熱く感情的になりがちだ。加害者意識、被害者意識とも、強烈で冷静な判断をしにかったのだろうが。すでにあの戦争から62年目である。欧米列強の植民亭主義から生き残るために日本が必死にならざるを得なかった当時の状況を頭にいれ、いろいろな角度から「昭和」を検証したいものだ。
 明治維新で日本は「開国」したのだが、欧米列強にいいように浸食される中国等の現状を見て、当時の日本の指導層は恐怖感を抱いたはずだ。彼等に対抗するため富国強兵策をとり植民地的侵略から自国を守ろうとしてのはいいのだが、自分たちも「乗り遅れるな」とばかり、欧米列強の真似をしてしまった。遅れて植民地獲得合戦に乗り出したことから、焦りもあったのだろう。当時の先進国の「常識」として、アジアアフリカ諸国を植民地とすることは「国際法」に違犯しているわけでもなく、「悪い」ことでもなかった。
 こういう世界情勢を考慮しないと、「歴史の真実」は見えてこない。

■パソコンに騒音がはいり、それが突然消えた。英語でファンヒーターの故障の表示。突然、画面が消えたりする。ファンが正常に働いていないので、熱をもつと自動的に停止するようだ。直しに出す必要がありそうだ。
by katorishu | 2006-08-03 01:58