コラム


by katorishu
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怖い血圧の上昇

 8月8日(火)
■近くのスーパーのイオンの一階に、血圧計をはじめ骨の量をはかれる機械が置いてある。無料で誰でも使用できるので、ときおり血圧をはかってみる。少々低血圧気味でたいてい最高血圧が120以下、最低血圧が80前後で、問題なしであったのだが、本日計ってみて驚いた。最高血圧が146と出た。機械が狂っているのではないかと思って測り直すと138と出た。高血圧である。

■家の血圧計で測ったところ、やはり140から150台。初めてのことである。最近、睡眠不足が続いているし、先週など週に4回も外で酒を飲んだりした。塩辛い料理が多かったと記憶する。それにストレスがいろいろと加わっているのだろう。睡眠不足もストレスになっている。友人知人で病気になる人の多くが高血圧が原因となっている。自覚症状がないので、体力に自信のある人は見過ごしてしまうようだ。
 イオンに足を運ぶたびに血圧を計っていてよかった、と思った。念のため、保険類を点検すると、三つも加入していた。以前、比較的高額の支払いの保険をふたつほど解約したのだが、毎月自動的にひかれる保険はそのままになっていたばかりか、数年前に新しく入っていた。クレジットカード会社などから電話で誘いがあると、OKしてしまうこともある。月々引かれる額があまり多くないので、低額所得者なのに気楽に応じてしまうのだろう。しかし、チリも積もれば山となるで、支払った割に返ってくるものがない。これまでほとんど病気にならなかったので……。

■電話帳に電話番号を載せるのをやめたので、最近は電話でのセールスは少なくなった。以前、住んでいた世田谷では、よくお墓を買えとか、株や金に投資しないかというセールスの電話が多かった。以前、収入が比較的多かったとき、電話でのセールスに応じて、ある商品を買った。結局、1000万円近く損をした。(今はカツカツの生活をしていますが、収入の多い時期もあったのです。ただし、株などの投機で得た収入ではなく神経をすり減らして書いた脚本などの原稿料を営々と貯めてきたお金です)今、あのお金があったら、取材などに有効に使えるし、温泉や海外リゾートにもゆったりといける……と思うのだが。別に欲をだしたわけではなく、電話で起こされ、脳の働きが十全でないとき、仕事上のつきあいもあって誘われたと記憶している。正常な判断が狂ってしまっていたのである。

■朝昼逆転の生活をしているのだが、相手はそんな事情を知らない。で、例えばお昼ごろ電話をする。午前8時ごろ寝ると、就眠後3,4時間である。普通に生活をしている人にとっては、午前2時か3時ごろ電話をされたも同然なのである。そんな状態で脳が正常に働くものではない。夜寝て朝起きる生活をすれば良いのだが、どうもうまくいかない。午前中に起きることもあるが、睡眠不足になる。子供のころから夜が怖くて仕方がなかった。これはもう「ビョーキ」ですね。だから、文筆業を選んだのですが、この仕事は神経を過度に使うので不眠を誘発させるもとにもなる。

■明日になって、まだ血圧が高ければクリニックにいって血圧降下剤をもらう必要があるだろう。高血圧は病気のもとである。すでに病気があるから血圧が高くなるのかもしれないが。
 ところで、電話のことである。最近はかかってくる電話が極度にすくなくなっている。かかるとすれば携帯が多いが、眠るとき離れたところに置いてあるので、携帯で起こされることはない。必要があれば、留守電に吹き込んでもらう。
 以前は、仕事の面でも、つきあいの面でも、突然かかる電話での受け答えで、ずいぶんと誤解を与えたかもしれない。インターネットが普及して、事務的な用事などはメールでやりとりするようになって、ホッとしている。メールを開くのは、こちらの都合で出来るので。インターネットにはいろいろ問題があるにせよ、ぼくにとてはプラスになっている。

■レバノン情勢がかなりひどい状態になっている。アメリカはイラクにつづきここでも完全に戦略を誤ったのではないか。中東情勢に限らず、アメリカは今後、孤立の道を歩むだろう。じっさい南米でも反米政権がぞくぞく生まれているし、隣のカナダとアメリカの仲もよくない。世界的に反米気運はひろがっているのである。そんなアメリカに過度に寄り添う日本政府。このままだと道を誤ることになる。日本の中にいて日本のマスメディアだけに接し、お仲間ばかりとつきあっていると、世界情勢が劇的に変わってきていることになかなか気づかない。

■政治家も官僚も、そのへんに恐ろしく鈍感である、と日本に深い愛情を注ぐオランダ人ジャーナリストのウオルフレン氏は著書で嘆いていた。20年ほど前のキャリア官僚は、自分たちが日本を動かしているのだという自信をもっており、世界で起こっていることに敏感で、今の官僚よりずっと豊かな洞察力があった。ところが、バブル崩壊のころから、官僚中の官僚である大蔵省の高級官僚の不祥事などもあって、官僚バッシングの中、官僚の質が低下している、とウオルフレン氏は指摘している。
 ウオルフレン氏の見解は論理的で説得力があり、ぼくはかなり信用している。氏にいわれるまでもなく、この10年ほどの政治家、官僚の劣化は気になることである。とくに外務省の官僚の事なかれ主義や洞察力、実行力の低下は、日本を誤った方向にもっていくことにならないか、と危惧している。最高指導者の小泉首相のアメリカべったり政策のマイナスの影響が外務官僚にもっともマイナスの形で出てきている。対中国、韓国関係は悪化したままだし、領土問題がからむ対ロ関係はまったく進展していない。世界的に孤立の道を歩むアメリカに従属していると、一緒に日本も孤立してしまう。アメリカは孤立しても生きていけるが、日本は貿易などに頼らなければ生きられない。孤立は衰亡を意味する。昭和初期、ナチス政権と結びついたりして孤立し、悲惨な目にあったことを、今こそ歴史の教訓としていかさなければいけないと思うのだが。

■それにしても長野県知事選挙の結果である。田中康男前知事の言動にはいろいろと問題があったにせよ、結局は公共事業のばらまきの復活につながる知事を、長野県民は選んでしまった。このツケはいずれ長野県民が負うことになる。コラムニスト勝谷誠彦氏は自身のブログで、「最大のツケを回されたのは防災の知識もないままに大臣を務めていたような人間をトップに戴いてしまった長野県民の方々かも知れない。お気の毒に」と記していたが、同感である。
by katorishu | 2006-08-09 02:39