コラム


by katorishu
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日本は世界でもっとも暴力や性描写に寛容な国

 8月31日(木)
■体温37,3度というのは微熱というのか、相変わらず喉が痛い。寝込むほどでも病院にいくほどでもないが、歯痛のように鬱陶しいことだ。
 脚本アーカイブズの委員諸氏と某民放社長にお会いする。この種の「文化事業」については誰でも趣旨には賛成だが、お金という問題になると途端にみんな口ごもってしまうと某社長は話していた。

■夕方、渋谷で428会という「勉強会」に出席。建築家の山代氏が「イノベーション」について講演。ドイツにいった折りの体験談をまじえて。ぼくは途中から出席。終わって、近くにある主催者の会社のオフィスで飲み会。システムエンジニアでパレスティナ問題にやたらと詳しい方と歓談。過日の小泉首相の中東訪問に一緒にいったとか。彼はイスラエル非難で、ヒズボラに同情的。クリスチャンでパレスティナに個人的にかかわっている。独学で一級建築士の資格をとり、品川にある教会の設計をしたこともあるそうだ。世の中にはいろいろな人がいる、とあらためて思った。

■夜、近頃稀なほど大量の汗をかく。寝る前に飲んだ漢方薬が効いたのかどうか。汗とともに体内の「毒素」が排出されるといいのだが。
『脳内汚染』をもういちど読み直している。最近の青少年の犯罪、モラルの欠如、落ち着きのなさ、持続力、忍耐力のなさ、キレル……などは、幼児期の過剰な映像メディア接触と因果関係がある、とあらためて思う。過剰な映像メディアとの接触は、麻薬などと同じマイナスを脳にもたらすと、高次脳科学、脳病態生理学の専門家である岡田氏が強調しているところだ。なるほど、なるほど、と目からウロコの落ちる気がした。広く深くこの『脳内汚染」はひろまっており、深刻である。映像で日々、あまりに異常なことが垂れ流されるので、多くの日本人は異常を異常と思わなくなっている。このまま「面白すぎる」ゲーム機などを放置しておくと、さらにいろいろな危機が表面化してくるだる。

■しかし、ゲーム機や映像メディアは巨大な産業になっており、研究者でもこの問題に触れることは大変勇気のいることになっているという。有形無形の圧力があるということで、多くの研究者は、おかしいと思っても損得勘定で得するほうに動き、岡田氏のように「勇気ある」本を書くこともない。かくて、危機が一層深刻化する。アスベストや水俣病のように。すでに欧米ではこの問題に真剣に取り組みはじめているが、先進国では日本は一番遅れているという。目の前に「お金」をつるされると、そっちをパクッと食ってしまうのでしょうね。「武士は食わねど痩せ我慢」の精神がなくなってしまったことの弊害が今、一挙に奔出している。
by katorishu | 2006-09-01 14:41