コラム


by katorishu
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北海道の味、じゃがいも焼酎「伍升譚」を飲む

 9月8日(金)
■じゃがいも焼酎というのを初めて飲んだ。昼間、カミサンとともに図書館、喫茶店とはしごし、疲れてしまい、家で夕食を作るのも面倒くさいので、しばしば足を運ぶ「会津村」という居酒屋にいき、キープしておいたボトルが空になったので、頼んだ。
「伍升譚(ごしょたん)」という北海道、旭川の焼酎。じゃがいもと米麹でつくられているそうだ。抵抗なくすっと喉を通る飲み物である。いかにも北海道らしい焼酎とういべきだろう。

■最近もっとも多く足を運ぶ自宅から徒歩7分ほどの「会津村」。この店の客はネクタイ族が少なく、肉体労働者や「職業不詳」の人が多い。女性同士でもよくきており、中高年の夫婦がサンダルばきで夕食がてらきたりする。大柄の親父を中心に長男夫婦とおぼしき人で経営し、家族的な雰囲気がある。なにより安価で料理の量が多いのがいい。
 雰囲気は多少あるにしても、高価で、出てくるものがほんのちょっぴり、というのはぼくの趣味ではない。(懐石料理は見るぶんにはいいのですが)。
 下町育ちではないのだが、ざっくばらんで、少々おバカも、おっちょこちょいもいる下町の空気が好きである。子供時代のよく接した、おバカで真っ正直で人情に弱い単純な職人に対する郷愁があるのかもしれない。

■日本の特徴は「職人文化」だと思っている。この伝統は絶対に守りたいものだ。アメリカ的な「金融資本主義」はノー・サンキューである。同じように、共産主義的全体主義もノー・サンキュー。悲しいことに、今最も恵まれていないのは「職人」である。この層が生き生きと生きられない社会は、悪い社会であると断言できる。
 ところで、ぼくも「文筆職人」であり、あまり生き生きと生きていない。

■テレビのニュースで小泉首相は歴代首相の中で群を抜いて海外視察が多かったと報じていた。中曽根首相が20数回で多いほうであったが、小泉首相は51回、47カ国を訪問しているという。それでいて日本にとって重要な隣国である国である中国と韓国には一度もいっていないし、首脳会談も開いていない。
 好き嫌いの問題ではない。外交はもっとしたたかに、しなやかに、国家的戦略をもってやらなければいけないのに、小泉外交は極めて場当たり的だ。
 国内政策も同様に、ひどい。右派の論客の桜井良子氏が「週間新潮」で、小泉の内政について、酷評していた。道路公団改革、郵政改革等々、いずれも器だけ変えただけで、かえって悪くなっており、役人や関連の寄生業者に有利なようになっている、と桜井氏は論証していた。
 自衛隊や靖国問題などで桜井氏と意見を異にするが、桜井氏の硬派な論駁はいつも心地よい。桜井氏によれば、小泉政権の国内政策も外交と同様、場当たり的で形だけの「改革」にすぎない。

■この5年間で日本が良くなったと思う人は、極めて少数派だあろう。数々の統計や調査の数字が、「悪くなった」ことを証明している。
 国や国民が悪くなった……というのでは、一国のリーダーとしてばかりか政治家としていただけない。とにかく、住みにくい社会にしてしまった。これを正すには何十年もの歳月がかかるかもしれない。
 比較的若い人が小泉支持であるそうだが、ぼくには信じがたい。小泉改革の最大の犠牲者は若者なのである。本を読まないと、映像情報に煽動され、煽動されていること自体に気づかない。
 小泉氏の海外旅行好きにもどるが、小泉氏は官費で豪勢な海外旅行ができるから総理になったのではないか、と思いたくなる。半分ジョークであるが。
by katorishu | 2006-09-09 02:43