コラム


by katorishu
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竹中氏の議員辞職は「疑惑隠しのセレモニー」との説

 9月25日(月)
■小泉内閣の「改革」の仕掛け人、竹中平蔵氏がさきごろ、議員辞職をしたが、本日発売の『週間ポスト』によれば、「ヒルズ族献金疑惑」隠しの「仕組まれた引退セレモニー」であるという。竹中氏の『経済塾』と安倍晋三後援会の「安晋会」は、いわば「兄弟組織」として裏でつながっており、竹中氏の疑惑を追及することによって「安晋会」の闇が照らし出されるので、小泉氏が竹中氏に議員辞職をするよう勧告した……とのことだ。

■さもありなんと思う。週間ポストによれば、「安晋会」の番頭格は、政治団体「21世紀政治研究会」の代表の杉山敏隆という元マンション販売を手がけた人で、バブル崩壊により350億円もの負債をかかえたという。この人のかかわる資金の流れが不透明で、政治資金規正法に違反している疑いが強いそうだ。竹中氏の「経済塾」についての資金についても不透明な部分があり、官邸は疑惑を封印するため竹中氏の参議院議員辞職を演出した、と週間ポストは書いている。

■告訴されるおそれがあるので、ポストとしても相当の裏付けをとって報じたに違いない。
 安倍氏についていろいろスキャンダル情報が噂されていたが、そのひとつがこの問題である。安倍政権が発足し党の3役も決まった本日、有力な対抗馬であった民主党党首の小沢一郎氏が「検査入院」したとのこと。政界は「一寸先は闇」といわれるが、この秋から冬にかけて、いろいろな問題が噴出するに違いない。
 日本国民の「一部」ではなく、「多くの国民」が幸せになってくれればいいのだが、どうもそうなりそうにない。相変わらずマスコミのニュースの中心は厭なことばかり。「良い」ことは報道されないのかもしれないが。

■皇居脇の国立公文書館に初めていく。脚本アーカイブズの件で、元理事のアーカイブの専門家に貴重な話やアドバイスをお聞ききする。大変興味深い話であった。
 帰路、三田でおりて、仕事の打ち合わせ帰りのカミサンと合流。携帯パソコンで仕事をしたあと、「慶応振興会」という古い商店街、というより飲屋街を歩いた。昔、慶応大学を受験したことがあるが、この商店街を歩いたのは、そのとき以来だ。運良く受かったのだが、当時は国立大学のほうがずっと費用が安かったので、慶応にいかなかった。もし、こちらにいっていたら、その後の人生はずいぶんと違ったものになっていただろう。受けたのは経済学部だった。当時は一次試験、二次試験があり、二次には面接があって、最近どういう本を読んだかと聞かれた。アンドレ・ジードの『狭き門』ですというと、試験官は笑っていた。

■あのとき、一緒に経済学部を受験して合格した、同じクラスのT君は今年病気で亡くなった。午前の試験が終わって昼食を学生食堂で食べたとき、ぼくはあまり食欲がなくカツ丼を半分ほど残してしまった。すると、T君は「それ、食べていいか」というので、「いい」というと、残らず食べてしまった。ぼくは人の残したものを食べたことがなかったので、少々驚いた。T君は体操部にいたハンサムボーイで、快活でとても気持ちのいい青年だった。

■そんなことを想起しつつ、ぶらぶら歩いた。この飲屋街で目立ったのは「立ち飲み」の店だ。目についただけで3軒もあった。客が一人もいない、やや高そうな店と違って満員盛況だった。案外庶民的な雰囲気の店が多く、面白い町だと思ったのだが。
「お母さん」を売り物にする居酒屋にはいった。手料理をだす店ということであったが、日頃、足を運んでいる店に比べ、勝るところは何もなかった。値段も高く、味も期待したほどではなかった。客はよく「知って」いるようで、広い店なのに一組しかはいっていなかった。ほぼ満員の店とガラ空きの店が際だっていた。

■早々と店を出て、「口直し」に同じ商店街の「中華そば」を食べたが、これが最悪。一口食べ、古くなった油のような臭気がした。食べ物屋で残すことはあまりないのだが、ぼくもカミサンも半分以上残し、腹立たしい思いで店を出た。「どうもついていないなア」と嘆きつつ、「3度目の正直」とばかり三田駅の近くの宝くじ売り場で2000円分のスピードくじを買い、「運」をためそうとしたが、500円が1枚と100円が2枚当たっただけ。こんな日は早く家に帰るに限る。
by katorishu | 2006-09-26 00:52