コラム


by katorishu
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いなくなった面魂のある人間

 9月27日(水)
■このブログのエキサイトはどうも使い勝手がよくない。他のホームページに飛んだりできないようだ。で、近著『北京の檻』については下記の文字を1クリックで飛ぶことができない。本日あたりから本屋に出ているようだ。前書きと後書きを読んでくださった方から電話をいただいた。本の趣旨がよくわかり、面白そうといってくださった。
http://www.bunshun.co.jp/book_db/html/3/68/43/4163684301.shtml
 興味をもっていただけましたら、お手数ですが、このURLをいれてみてください。
 まえがきの一部を読むことができます。ごく一部をのぞいて、堅い内容の本があまりにも売れないので、著者としても積極的にPRする必要があるようです。

■本日、文春ビルの中にある民放連にいき、脚本アーカイブズについて理解や支援等をお願いする。この時代、「文化」と名のつくものには、どこもなかなかお金を出したがらない。書籍でも「文化論」は「売れない」ので、専門出版社はともかく、一般書籍をあつかう版元では企画が通りにくい。マスコミに名前と顔が売れている人は別なのだろうが。
 ぼくは、率直にいって今の日本をあまり好きになれない。『脳内汚染』もますます広く深く進んでいるようだし、先行き悲観的ですね。
元来、ぼくはオプティミストなのですが、この10年ほどの日本を物書きの視点から見ていると、恐ろしくなります。

■エイズについてのミュージカルを書く予定なのだが、なかなか資料を読む時間がない。関係者への取材もしなければいけないのだが……。この調子では、いつ完成するかわからない。まだ劇場をおさえていないので、楽観はしているが。最近、あまりエイズについてのニュースがないが、これも「脳内汚染」と同じで、広く深く広がっているようだ。
 一見きれいに見える東京の町だが、一皮はぐと、惨憺たる状態になっているのではないか。「美しい国に」というスローガンをかかげた内閣が誕生したが、新大臣の顔がどれも美しくない。一定年齢をすぎると、心のありようは顔に表れるものである。世襲議員などが多いためか「面魂」といったものをもっている人がほとんどいない。

■良い悪いはともかく、田中角栄首相など相当の面魂をもっていた。池田勇人、大平透なども、それなりの面魂をもっていた。そういえば、俳優にも面魂をもった人が少なくなりました。モデル出身でスマートに見える人が「スター」になっていくからなのか。
 先日、テレビ関係者との話し合いでも出たが、「学芸会レベル」があまりにも多すぎる。どの分野でも聞かれますが、「プロ」がどんどん減っていることなのでしょう。機材等の性能があがったため、素人同然でも機材を使いこなしてしまう。それこそ「平等社会」の証という人がいるかもしれない。そんな金太郎飴のような人間ばかりの社会は住むにあたいしませんね。
by katorishu | 2006-09-28 00:37