昭和初期のモダニズムとエログロナンセンスの流行と似ている現在
2006年 10月 15日
■図書館にいき、さらにコーヒー店で数時間仕事をしたあと旧東海道を歩いていたら、なにやらどんどこ太鼓の音がする。はっぴ姿の若者を中心に白い纏に似たようなもをかざした一団にあう。いくつもの提灯と大きな行灯のようなものが出ている。「広宣流布」という文字が見え、ナンミョウホウレンゲーキョーの声が聞こえたので、創価学会関係の行事かなと思った。さらに歩いていくうち、「立正佼成会」という文字を染め抜いたはっぴが目についた。
■どうも、旧東海道ぞいにある古刹、天妙国寺の行事のようだ。丸い団扇の形をした太鼓を、とにかくがんがん打ち鳴らす。そうしながら練り歩くのである。
天妙国寺は、日蓮の直弟子、天目上人が開祖と伝えられる、将軍家の保護を受け、文化財も多いとのことだ。有名人のお墓が多く、桃中軒雲右衛門、お祭り佐七、伊藤一刀斎、斬られ与三郎(芳村伊三郎)お富などがあるという。 (写真は犬好きの弟の会社の新製品の携帯ストラップ。名前はまだない)
■ぼくは一応仏教徒にはいるのだが、日頃宗教のことは意識の外にあるので、宗教に過剰に熱心な人の気持ちは、じつのところよくわからない。
強いてあげれば、ぼくは「拝文字教徒」なのかもしれない。仕事の必要があって昭和初年の浅草について調べている。本日、川端康成の『浅草紅団』と浜本浩の『浅草の灯』を拾い読む。社会不安と結びついた「モダニズム」にエログロナンセンスがはやったころの世相は、現在の世相とじつによく似ている。