コラム


by katorishu
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 「テーミス」が報じる金総書記、偽物説

 12月3日(日)
■冬らしい寒さになった。こんな日は早く起きて、朝日のあたる街を歩き、適度の寒気のなか、気持ちをひきしめたいと思うのだが、思うように眠れず、結局、起床は午後になってしまった。寝床で会員制の月刊誌「テーミス」を読んだ。「月刊現代」の元編集長がはじめた雑誌で、毎度面白い角度から政治、経済、社会問題を分析している。大抵の記事が見開き1ページなので、いわゆる総合雑誌のように長く掘り下げた論文ではないが。年会費1万2000円は妥当なところだろう。

■北朝鮮の金総書記の「偽者説」がトップで、なかなか興味深い。父親の金日成が死去したころの「金正日」と今の「金正日」では声紋がちがうという証拠をあげている。「異説」といっていいのだろうが、常に暗殺の危機を感じている金総書記が影武者をおいていることは充分考えられる。
 現在「主体思想」は影をひそめ「先軍政治」が北朝鮮の柱になっている。これが軍部独裁に通じ、「金総書記」はじつは影武者で、実態は軍部にあやつられているのではないかとのこと。本人はとっくの昔に死亡したという。どこまで本当なのか、わからない。

■外務省の旅券電子申請システムがこのほどひっそりと閉鎖されたという記事もあった。自宅にいながらにして旅券を申請できるということで、外務省は多額の資金をそそぎこみ、年間の運用経費だけで8億円だという。ところが、この2年間で利用者はたったの133人で、パスポート1通の発給に1600万円の運用経費がかかったことになる。大変な税の無駄遣いである。普及しなかった理由のひとつとして、発給のシステムが複雑で手間も時間もかかることだという。「お急ぎの方は窓口に」いくようにという但し書きが出ているというが、まさにお笑いである。
 地方行政での官製談合、汚職も連日のように報じられる。モラルのない役人はいっこうに減らない。今年にはいって検察の姿勢が厳しくなった結果、摘発された汚職が増えたとのことだ。以前から汚職自体はいろいろな部署で行われていたようだ。
 
■夕方、下北沢で飲み会。大阪からきた旧知の制作関係者O氏やや元宝塚の女優など10人ほど。以前からつきあいのある某出版社の役員のMさんの父上が、女大衆演劇・大江美智子一座の座付き作者であったことを初めて知った。戦前の話である。戦後はラジオドラマなどの脚本を執筆した。
 ぼくが話をふったこともあり、戦前の軽演劇の世界、とりわけ上方芸能の話が焦点になった。昔の上方芸能の異能の人たち、奇行、めちゃくちゃうぶりなど、互いの「知識」をだしあう形になり、ぼくには面白かった。比較的年若い参加者には、面白くなかったかもしれないが。情報面でのジェネレーション・ギャップは埋めようがない。
by katorishu | 2006-12-04 01:33